アイルランド、米上院による租税回避地との指摘に反論へ=関係筋

アイルランド、米上院による租税回避地との指摘に反論へ=関係筋
5月27日、関係筋によると、アイルランド政府は、同国が租税回避地になっているとの米上院議員の指摘に対し今週中に書簡を送付し反論する見通し。写真は車に取り付けられた米国とアイルランドの国旗。米ホワイトハウス前で3月撮影(2013年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ダブリン 27日 ロイター] - アイルランド政府は、同国が多国籍企業の租税回避地になっているとの米上院議員の指摘に対し、今週中に公式な書簡を米上院に送付し反論する見通しであることが複数の関係筋の話で明らかになった。
米上院は米企業による海外への資産移転を通した課税回避の実態を調査しており、20日に公表した報告書で、米アップルが税金支払いを回避するためアイルランドの子会社に数十億ドルの利益を蓄えていた疑いがあると指摘。
上院小委員会はまた、同社がアイルランド政府との交渉で2%以下の特別に低い法人税率の適用を受け、課税逃れにつながったとも指摘した。
こうした動きに対しアイルランド閣僚は、同国の税制度は透明性が高いと主張。アップルに非常に低い税率が適用されていた場合、諸外国の税制度に問題があると反論していた。
複数の政府関係筋によると、アイルランド政府は今週、米上院に対し公式な書簡を送付し、上院行政監察小委員会の委員長を務めるカール・レビン上院議員(民主党)に対し、アイルランドは租税回避地でないことや、アップルに対し特別な税率を適用しなかったことを明確に伝える見通し。
アイルランドのクレイトン欧州問題担当相はロイターに対し、現在取りまとめられている書簡の草案について、「強い反応になると確信している」と述べた。
その上で「アイルランドが自国の立場を主張し事実を伝えなければ、風評被害が発生するリスクがある」とし、「企業が事業を展開するに当たり、アイルランドが安全で、かつ法的に健全な場所であることを強く指摘したい」と語った。
クレイトン欧州問題担当相はこの日から4日間の日程で訪米。ワシントンとニューヨークを訪れ、政財界の要人との会合に出席する。
同相の訪米は米上院が法人税に関する報告書を公表する前から予定されていたが、同相は、訪米する他の閣僚とともに「誤解」を解くためにこの機会を最大限利用したいとしている。

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