EUのディーゼル車試験、厳格過ぎればメーカー撤退=欧州業界団体

EUのディーゼル車試験、厳格過ぎればメーカー撤退=欧州業界団体
 10月12日、欧州自動車工業会は、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題の影響で、欧州が排ガス試験を性急かつ過度に厳格化すると、ディーゼル車の価格が高くなり過ぎ、自動車メーカーは販売停止に追い込まれかねないと警告した。写真はロンドンで9月撮影(2015年 ロイター/Neil Hall)
[フランクフルト 12日 ロイター] - 欧州自動車工業会(ACEA)は12日、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題の影響で、欧州が排ガス試験を性急かつ過度に厳格化すると、ディーゼル車の価格が高くなり過ぎ、自動車メーカーは販売停止に追い込まれかねないと警告した。
ACEAは声明で「自動車業界は現実世界の状況をより厳密に反映した排ガス試験の必要性には同意する。しかし、各メーカーが必要な変更プランを立て、実行できるような方法で進めることが重要だ。将来のCO2排出目標を達成する重要な柱の1つであるディーゼル車の役割を危険にさらすことがあってはならない」と指摘。「新車すべてにRDE(実際の走行時の排ガス測定)を適用するための妥当な移行期間を設けるべきだ」と主張した。
また、「スケジュールや条件が現実的でなければ、ディーゼル車の一部は実質的に手が届かない価格となり、メーカーは販売を停止せざるを得なくなる」とし、それは消費者にとっても雇用面でも打撃になると警告した。
欧州市場でディーゼル車が推奨されてきた理由の1つは、ガソリン車に比べて二酸化炭素の排出が少ないためだが、一方で人体に有害な窒素酸化物(NOx)を大量に排出する点が規制対象となってきた。
欧州連合(EU)はVWによる不正を受け、自動車メーカーがより迅速に厳しい排出規制を満たすように圧力を強め、来年早い時期に通常走行時のNOx排出量測定を導入する方向で協議を進めている。

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