甘利TPP担当相「再交渉応じず」、ヒラリー氏の反対表明けん制

ヒラリー氏らの反対に遭ってもTPP再交渉に応じず=甘利担当相
 10月9日、甘利明経済再生担当相は、クリントン前国務長官がTPPを支持しないと表明したことを受け、「反故にすれば米国の威信を落とす。星条旗を傷つけることになる」と語った。写真は7日撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 9日 ロイター] - 甘利明・環太平洋連携協定(TPP)担当相は9日、ロイターなど報道各社のインタビューに応じた。米大統領選に出馬表明しているヒラリー・クリントン前国務長官がTPPに反対表明したことについて、「反故(ほご)にすれば米国の威信を落とす」と語り、再交渉には応じない考えを示した。
TPPをめぐる国内対策に関し、政府は同日、総合対策本部の初会合を開いた。甘利氏は「アベノミクスによる歳入上振れ分をすべて財政再建に回す必要はない」とし、具体的な対策を精査して財源措置を行う方針を示した。
対策の実施には一定の期間を想定しており、「単年度でべらぼうな金額がいきなり浮上してくることは当面ない」と見通した。
また、TPPに伴って一大経済圏ができることを背景に、日本の立地競争力を高めるための法人税改革についても言及した。
10月の官民対話で、政府はあらためて企業側に設備投資などを促す考えだが、甘利氏は「政府が何もしないというわけにはいかない」と強調。法人税率の20%台への引き下げは「どこまで(早期に)できるか財政再建と相談する」とする一方、要望のある規制改革のうち折り合いのつくものは前倒しする意向を示した。
*内容を追加しました。

梅川崇

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab