難民支援強化の一方で、不法移民の国外退去も推進へ=欧州委員長

難民支援強化の一方で、不法移民の国外退去も推進へ=欧州委員長
 9月9日、欧州委員会のユンケル委員長は、欧州連合で難民への支援を強化する一方、国境警備をより厳重にし不法移民は国外退去させる方針を示した。ストラスブールで撮影(2015年 ロイター/Vincent Kessler)
[ストラスブール 9日 ロイター] - 欧州委員会のユンケル委員長は9日、欧州連合(EU)で難民への支援を強化する一方、国境警備をより厳重にし不法移民は国外退去させる方針を示した。
ユンケル委員長は、来週の欧州議会での一般教書演説を前に年次の声明を発表。議員やEU加盟国の政府に対し、「難民問題に関する迅速で確固たる包括的な対応をする」と表明した。
委員長は、難民問題は最優先課題であり、経済、ウクライナ危機、気候変動や英国のEU残留の是非を問う国民投票などよりも先に対応すべきだと主張。難民危機は「近隣諸国の戦争、テロ活動や政情不安定により引き起こされた」と述べた。
委員長はさらに、現在イタリアやギリシャ、ハンガリーに集中している難民をEU加盟国間で分担する「緊急移転メカニズム」に合意するよう加盟国に要請。将来的に同様の事態が起きた時に備えた永続的なメカニズムの確立や、不法移民を強制送還しても安全な出身国リストの作成を計画していることも明らかにした。

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