ロシア管理下のダノン子会社、チェチェン首長のおいが新代表に

ロシア管理下のダノン子会社、チェチェン首長のおいが新代表に
 ロシア政府が管理下に置いた仏食品大手ダノン子会社の新代表に、チェチェン共和国のカディロフ首長のおいが任命されたことが明らかになった。写真はダノンのロゴ。フランス・パリ近郊で昨年2月撮影(2023年 ロイター/Gonzalo Fuentes)
[モスクワ 19日 ロイター] - ロシア政府が管理下に置いた仏食品大手ダノン子会社の新代表に、チェチェン共和国のカディロフ首長のおいが任命されたことが明らかになった。
プーチン大統領は16日、ダノンとデンマークのビール大手カールスバーグのロシア子会社を政府の管理下に置く大統領令に署名した。
インタファクス通信のロシア企業データベース「スパーク」によると、これを受けてチェチェン共和国の副首相兼農相ヤクブ・ザクリエフ氏が18日、ダノン・ロシアのゼネラルディレクターに就任した。
32歳のザクリエフ氏はカディロフ首長の姉の息子で、モスクワ大学で経済学を学んだ。
同共和国のドゥダエフ国家政策・外交・情報担当相もこの人事を確認した。ザクリエフ氏のコメントは出ていない。
ダノンは昨年10月、ロシア乳製品事業の運営を放棄すると発表。最大10億ユーロ(11億2000万ドル)の損金処理につながる可能性があった。
事情に詳しい関係者によると、ダノンは13の工場の従業員7500人の安全を重点にロシアの状況を注視している。子会社がロシア政府の管理下に置かれた後、法的選択肢の検討を続けているという。
カールスバーグのロシア子会社バルチカは、1991─2004年に同社の経営に携わっていたタイムラズ・ボロエフ氏が社長に任命されたと明らかにした。
カールスバーグは19日、ロシア政府がバルチカの経営陣を任命したと発表し、「カールスバーグ・グループはもはやロシア子会社の経営や運営を掌握していない。今後の事業や進められている売却プロセスにどのような影響があるかは不透明」と表明した。
バルチカについては、英紙フィナンシャル・タイムズが18日、プーチン大統領の盟友ユーリ・コバルチュク、ミハイル・コバルチュク両氏が関心を示していると報じた。

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