米J&Jの株価急落、ベビーパウダー巡るロイター報道を嫌気

J&J株が10%急落、ベビーパウダー巡るロイター報道を嫌気
 12月14日、米医薬品・日用品大手、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)株は10%急落。同社がベビーパウダーにアスベストが含まれていたことを数十年間把握していたとのロイター報道を嫌気した。写真は同社のベビーパウダー。2016年撮影(2018年 ロイター/Shannon Stapleton)
[14日 ロイター] - 米医薬品・日用品大手、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)株は14日、10%急落。同社がベビーパウダーにアスベストが含まれていたことを数十年間把握していたとのロイター報道を嫌気した。
ロイターが入手した文書によると、同社は1970年代から原料滑石(タルク)の試験でアスベストが見つかったことを米食品医薬品局(FDA)に報告せず。タルク問題の記述は57─58年時点までさかのぼる。
同社はまたベビーパウダーの研究を同社の費用負担で委託した上、「ゴーストライター」を雇ってその研究論文を書き直させ学会誌で発表したという。
J&Jは「数千回の独立した試験」結果によりタルクの安全性が証明されており、「タルクの安全性に関する情報を把握、隠蔽したとの指摘は誤り」と説明する。
同社のベビーパウダーと健康被害の因果関係を巡っては、これまでも訴訟が相次いでいる。
今年7月には、ベビーパウダーの原料に含まれるアスベストが原因で卵巣がんを発症したとして女性22人が訴えていた問題で、ミズーリ州セントルイス巡回裁判所の陪審が同社に46億9000万ドルの損害賠償支払いを命じる評決を下している。同社はこの種の係争を1万件以上抱えている。

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