米中、北朝鮮への厳しい制裁に消極的か 自国経済への影響配慮で

米中、北朝鮮への厳しい制裁に消極的か 自国経済への影響配慮で
 1月6日、北朝鮮の核実験を受け、米国では次期大統領選の候補者や議員らが対北朝鮮制裁の強化を求めているが、米政府の元当局者やアナリストは、米中など主要国が北朝鮮に核兵器開発を断念させるような厳しい措置を講じるのに消極的である可能性が高いと指摘する。写真は北京で2009年11月撮影(2016年 ロイター/Grace Liang)
[ワシントン 6日 ロイター] - 北朝鮮の核実験を受け、米国では次期大統領選の候補者や議員らが対北朝鮮制裁の強化を求めているが、米政府の元当局者やアナリストは、米中など主要国が北朝鮮に核兵器開発を断念させるような厳しい措置を講じるのに消極的である可能性が高いと指摘する。
北朝鮮はすでに国際社会による幅広い制裁の対象となっている。外交筋によると、国連安保理メンバーは数日以内に制裁強化の可能性を協議するとみられる。
ただ、これまでの対北朝鮮制裁は、イランに科されたような全面的な経済制裁には程遠い。
アジアのアナリストらによると、北朝鮮の隣国であり主要な同盟国でもある中国が国連による追加制裁を支持する可能性が高いが、米国を後ろ盾とする韓国との緩衝地帯となってきた北朝鮮の体制が揺らぐことへの懸念から制裁には制限を求めるとみられる。
北朝鮮への制裁には米政府も慎重姿勢を続けている。米国は北朝鮮の軍事・兵器開発プログラムに対して積極的に制裁を行う一方、深刻な打撃を与えるような経済制裁は課してこなかった。米政府の元当局者は、北朝鮮と大型取引を行う中国の企業や銀行に配慮しているためだと指摘する。
米政府で対北朝鮮・対イラン制裁を担当した元外交官のジョセフ・デトーマス氏は「米中経済は相互に緊密に関係しており、中国経済に銃を突き付けることは米国自身にもそうすることになる」と語った。

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