欧州航空会社のシベリア飛行禁止も、ロシアがEU制裁に報復検討

欧州航空会社のシベリア飛行禁止も、ロシアがEU制裁に報復検討
8月5日、ロシアのメドベージェフ首相は、アエロフロート傘下の格安航空会社がEUによる対ロシア制裁の対象になったことを受け、報復措置を協議する必要があるとの見解を示した。フランクフルトの空港で4月撮影(2014年 ロイター/Kai Pfaffenbach)
[モスクワ 5日 ロイター] - ロシアのメドベージェフ首相は5日、アエロフロート傘下の格安航空会社ドブロリョートが欧州連合(EU)による対ロシア制裁の対象になったことに関し、報復措置を協議する必要があるとの見解を示した。国営ロシア通信(RIA)が伝えた。
ドブロリョートは先週、ウクライナ情勢をめぐるEU制裁の影響で航空機リース契約が無効になったことから、全ての運航停止を余儀なくされた。同社はクリミア便を運航していた。
メドベージェフ首相は運輸相やアエロフロート幹部との会合で、「報復について協議する必要がある」と述べた。
またこれに関連し、日刊経済紙ベドモスチは、ロシアが欧州の航空各社によるシベリア上空通過を制限または禁止する可能性があると報じた。
ベドモスチが関係筋の話として伝えたところでは、ロシアの外務省と運輸省がこの措置について検討しているという。同措置が実施されれば、欧州の航空会社はアジア各社との競争で不利になるが、ロシア側も上空通過料を受け取れなくなる。
ベドモスチによると、シベリア上空通過が禁止された場合、独ルフトハンザ、英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)や仏エールフランスには、迂回のために3カ月で10億ユーロ(約13億ドル)の費用がかかる可能性があるとしているが、専門家らはそこまで大きな額にならないとしている。

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