ムーディーズ、トルコを「B2」に格下げ 見通し「ネガティブ」

[11日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは11日、トルコの格付けを従来の「B1」から「B2」に引き下げた。見通しは引き続き「ネガティブ」。対外的な脆弱性が国際収支の危機をもたらす可能性が高いほか、財政的バッファー(余力)が損なわれつつあると指摘した。
「信用状況へのリスクが高まっているにもかかわらず、トルコの機関は課題に効果的に対応する姿勢がないか、対処ができないようだ」とした。
トルコ貿易省のデータによると、8月の貿易赤字は170%拡大し、63億1000万ドルとなった。通貨リラ相場の記録的下落を受け、海外から金の購入を急ぐ動きが広がった。
ムーディーズによると、トルコの外貨準備は何年も前から減少傾向が続いており、中銀が2020年初め以降のリラ防衛で成果を出していないことから、現在の外貨準備の対国内総生産(GDP)比率は数十年ぶりの低水準に落ち込んでいる。
格付け見通しをネガティブに据え置いた理由については、米国や欧州連合(EU)との関係、地中海東部の緊張といった地政学的リスクの高まりを挙げた。
*内容を追加しました。

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