三菱重の今期、防衛事業の受注8500億円見込む 防衛費増で過去最高

三菱重の今期、防衛事業の受注8500億円見込む 防衛費増で過去最高
 5月10日、三菱重工業は10日、防衛事業の2024年3月期受注高は過去最高の8000億─8500億円を見込んでいることを明らかにした。写真は都内で昨年12月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 10日 ロイター] - 三菱重工業は10日、防衛事業の2024年3月期受注高は過去最高の8000億─8500億円を見込んでいると明らかにした。政府が防衛費を増額したのに伴い、今年度は特にミサイルの受注が増える見通し。
前年度の受注高5571億円から3000億円程度の上積みとなる。防衛省は先月、「反撃能力」の主力装備となる長距離ミサイルシステムの量産・開発を3781億円で三菱重工に発注したと発表していた。
会見した泉沢清次社長は、政府が進める防衛産業基盤の強化策を評価した上で、「防衛整備の予見性が高まった」とし、「プライム(元請け)だけでなくパートナーのみなさんも事業計画が立てやすくなる」と述べた。「これから受注するものについては(利益率が)一定程度改善していくと考えている」と語った。
増産が必要となる防衛事業に経営資源を振り向ける方針で、計画を中止したスペースジェットの人員は、英国、イタリアと進める次期戦闘機の共同開発などにすでに移管した。
防衛事業に宇宙と航空を加えた部門全体の受注高は1兆円を見込む。約3000億円の増額で、過去最高となる見通し。同部門の売上収益は7000億円(前年度は6194億円)、事業利益は400億円(同399億円)を計画する。
三菱重工全体の受注高は前年度比2.2%増の4兆6000億円、売上収益は同2.3%増の4兆3000億円、事業利益は同55.2%増の3000億円を見込む。配当は1株160円を予定している。

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