UPDATE2: 自民・林氏が総裁選立候補を正式表明、円高是正で変動相場制見直しを提言

 [東京 13日 ロイター] 自民党の林芳正政調会長代理は13日午前、党本部で記
者会見し、総裁選への立候補を正式に表明した。選挙公約では経済再生を掲げ、デフレ克
服と雇用拡大を柱に、日本経済の再生に向けて3年間で日本経済を成長軌道に乗せるため
の緊急プランを策定する方針を示した。実物取引を超える投機的な動きで円高が進む問題
を挙げ、円高是正では「機動的・弾力的・戦略的に介入を実施し、投機的動きを排除する」
とともに、「自由変動相場制の見直し」を提言した。

 会見で林氏は「日本経済の再生を任せてもらいたい」と決意を表明。抽象的な政策では
なく、「具体的な政策をひとつひとつ積み重ね経済を再生させていく」と語った。

 このうち為替政策に関して林氏は「投機筋の大きなアタックによって実物経済をやって
いる人が大きな影響を被らないような仕組みを考えていかなければいけない。多極間の話
し合いで決めていくことが最終ゴールだ」と述べ、自民党の衆院選公約にも「日米欧に中
国を入れたルーブル合意的なものを作っていかなければならない」との方針を盛り込んだ
ことを明らかにした。

 早期の政権奪還実現を目指すとし、谷垣禎一総裁と野田佳彦首相が交わした「近いうち」
解散や民・自・公の3党合意など、「我々の政策を実現するために、使えるのもは何でも
使いたい」と指摘。橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会」との連携の可能性については
地方自治などの考えでは「全く一致している。十分一緒にやっていく余地がある」とする
一方、消費税を全額地方消費税とし地方交付税を廃止するなどとする国政に関する政策で
は「詰めたほうがよいものがある」とし、「是々非々の対応になる」と語った。

選挙公約の概要

・長引くデフレを克服し、日本経済を再生。経済を再生し雇用を拡大する。
・今後3年間で日本経済を成長軌道に乗せるための緊急プランを示す。
・アジアの成長取り込み
・国民総所得の最大化
・円高の是正。機動的・弾力的・戦略的に介入を実施することにより、円高に向けた投機
 的動きを排除する。多数の国家が人為的に自国通貨安を実現している現実を踏まえ、自
 由変動相場制の見直しを提言し、その実現を目指す。
・経済再生緊急プランを実施するとともに、「財政健全化責任法」を定め、将来の財政に
 対する不安を取り除くとともに、社会保障制度をはじめとする各制度を将来にわたって
 持続可能なものとする基盤を作る。
・外交・安全保障では、米国との関係を早急に修復し、強固な日米関係を基本にアジア諸
 国との安定的な関係を構築する。
・集団的自衛権の行使を可能とするとともに、領土問題等に毅然と対応する。
・「聖域なき関税撤廃」を前提とする限り、TPP交渉参加に反対。FTA、EPAは積
 極的に推進し、日本経済の国際化を進める。
・原子力発電の位置づけ、地球温暖化対策については、安全性の確保、雇用の維持、国内
 産業の活力など総合的な観点を踏まえて対応。
・一体改革関連法を確実に実施し、社会保障制度改革国民会議を早急に設置し、社会保障
 制度の改革を推進する。

  (ロイターニュース 吉川 裕子)

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