ギリシャ、支援脱却後は銀行救済基金の柔軟活用が可能=中銀総裁

[アテネ 5日 ロイター] - ギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は、国際金融支援からの脱却後は、残りの銀行救済基金115億ユーロ(144億ドル)を予備的信用枠として利用することが可能との認識を示した。現地紙Ta Neaが5日報じた。
ギリシャ政府は、欧州連合(EU)による支援が12月31日に期限を迎えることを踏まえ、EU関係機関・国際通貨基金(IMF)と協議を行っている。IMFによる支援は2016年初めまで続く予定だが、ギリシャはユーロ圏による資金供与が期限を迎える時点での現行の支援プログラム終了を希望している。
政府は、数年にわたり緊縮政策を強いられた苦い経験から、新たな支援に厳しい条件が付けられることを避けたい考え。ただ債券市場は、支援プログラムの先行きをめぐる不透明感に神経質になっている。
ストゥルナラス総裁は同紙に「信用システムリスクに備える一部の資金を除き、支援資金の多くは予備的信用枠として使用し欧州安定メカニズム(ESM)に返済することが可能」との考えを示した。
ギリシャの銀行の資本増強支援のために設立された救済基金は500億ユーロ。このうち、これまでに約380億ユーロが利用された。
総裁は、欧州銀行ストレステストでシステミックリスクが懸念されるギリシャの銀行に資本不足がなかったことを指摘。救済基金の残りの115億ユーロはより柔軟に使うことが可能との認識を示した。

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