カジノ、日本人の入場は入場料などで規制 排除はせず=議連

[東京 16日 ロイター] - カジノ運営の解禁を目指す超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(通称カジノ議連)は16日午前に総会を開き、カジノを含む統合型リゾート(IR)の解禁に向けた第一歩となる「推進法案」について、10日の幹部会合で確認した「日本人除外」の規定は盛り込まず、入場料の設定などで入場者を制限する旨をあらためて確認し、全会一致で了承した。
こうした内容を反映するため、日本人の入場については、入場料や排除プログラムを設けることで範囲を決められるよう「必要な措置を講じる」と法案の一部を修正する。
推進法案は臨時国会で審議が再開される予定だが、一部では遅れを懸念する声も出始めている。
カジノで成功したシンガポールを参考に、日本でも入場料の課金は検討されてきたが、今回、法案の一部修正で合意したのは、連立与党・公明党などカジノ解禁の慎重派に一定の配慮を示し、早期の審議入りを目指す狙いがあるとみられる。
IR議連の細田博之会長(自民)は16日の総会で、日本では自動車以外の産業が苦戦するなかで、推進法案の成立により観光という「日本を支える産業を作ろうではないか」と、推進法案の臨時国会での成立に意欲を示した。
IR議連には224人の国会議員が所属しており、この日の総会には163人が出席した。
公明党のほか、民主党内も賛否が分かれているが、同議連の松原仁(民主)衆院議員は総会で、党として解禁を推進することで努力するとの発言があったという。
日本国内でのカジノ運営は刑法で禁止されているが、IR議連はこれを解禁するため、推進法案を議員立法として今年の通常国会に提出していた。
最終的なカジノ解禁に向け、推進法案の成立から1年後をめどに「実施法案」を取りまとめる2段階の法的対応が計画されている。具体的な入札の仕方やギャンブル依存症など弊害の除去法については、2本目の実施法案で制定される予定。
反対派は、カジノがマネーロンダリング(資金洗浄)の温床になると指摘するほか、実施法案までそうした社会的問題への法的措置が取られないことにも難色を示している。

江本恵美、安藤律子

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