同性愛への姿勢に世界で温度差、日本は年齢で隔たり=調査

同性愛への姿勢に世界で温度差、日本は年齢で隔たり=調査
6月4日、米ピュー・リサーチ・センターが発表した調査結果によると、同性愛に対しては欧州や米国では寛容の度合いが増している一方、アフリカや中東では反感が根強いことが分かった。写真は5月、仏モンペリエで撮影(2013年 ロイター/Jean-Paul Pelissier)
[ワシントン 4日 ロイター] - 米ピュー・リサーチ・センターが4日発表した調査結果によると、同性愛に対しては欧州や米国、カナダ、中南米では寛容の度合いが増している一方、アフリカや中東では反感が根強いことが分かった。
同調査は、世界39カ国の約3万8000人を対象に実施。ヨルダンやエジプト、インドネシア、パキスタンなどイスラム教徒が多数を占める国や、ナイジェリアやセネガルなどアフリカ諸国で、同性愛者は社会的に拒絶されるべきとの考えが圧倒的多数であることが示された。
一方、北米や欧州の大部分では、同性愛に対する寛容性が拡大し続けており、イスラエルやポーランド、ボリビアなどでは賛否が割れていることが明らかになった。
ピューは報告書で「同性愛への支持は、宗教が生活の中心にない国で特に広がっている。対照的に、信仰心が高い水準にある貧しい国々では、同性愛を寛容すべきとの声は少数派だ」と指摘。ただ、ロシアや中国など、宗教の影響力がさほど強くない国でも、同性愛が受け入れられていない例は一部あるとしている。
また同調査では、年齢や性別も、同性愛に対する姿勢で差を生む重要な要素であることが分かった。女性や若年成人層で同性愛を許容する傾向が強く、同性愛者の権利向上が進んでいるフランスや米国などでも、女性の許容度は男性を約10%ポイント上回っているという。
日本では、同性愛を支持するとの回答は全体では54%だが、30歳未満では83%、50歳以上では約40%と、年齢による開きが顕著となっている。米国でも、18歳以上30歳未満では70%が同性愛を支持しているが、50歳以上では52%にとどまっている。

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