腎臓ドナーとなり上司助けた女性が解雇、損害賠償求め提訴へ

[ニューヨーク 24日 ロイター] 病気を患う上司のために腎臓を提供しようとした女性が、手術後に会社から不当に解雇されたとして、米ニューヨーク州人権担当部門に苦情を申請した。この手続きを経て、女性は損害賠償などを求めて、解雇した会社と上司を提訴する予定だとしている。
訴えを起こそうとしているのは、自動車販売代理店を経営する企業に勤めていたデボラ・スティーブンスさん。スティーブンスさんは、上司が腎臓移植を必要としているのを知り、提供を申し出た。検査の結果、スティーブンスさんの腎臓は上司には適合しなかったものの、ミズーリ州在住の患者に提供することに合意。そのおかげで、上司は別のドナーから提供を受けることができたという。
弁護士によると、スティーブンスさんは昨年8月に左の腎臓を摘出。その約1カ月後に職場復帰したが、手術の後遺症のため病気休暇を申し出ると、激しく非難されたという。上司の態度について人事部に苦情を申し入れた後には、部署の異動も命じられ、最終的に今月11日に仕事ぶりを理由に解雇された。
スティーブンスさんを解雇した会社は声明を発表し、「社員が自分の寛大な行為を、根拠のない訴えに利用するのは遺憾なことだ。弊社はいかなる場合においても、同社員を適切に処遇していた」と主張した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab