今週の日本株はレンジ取引、外部要因が相場を左右

今週の日本株はレンジ取引、外部要因が相場を左右
8月12日、今週の東京株式市場はレンジ取引が予想される。写真は6月、都内で撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)
[東京 12日 ロイター] - 今週の東京株式市場はレンジ取引が予想される。お盆休み入りで市場参加者が減少する中、引き続き短期筋の先物売買がマーケットへの影響力を強めそうだ。
日米ファンダメンタルズの強さが支えとなり大きく崩れる展開は想定しにくいが、買いのエネルギーが乏しく上値も限られる。米緩和策早期縮小の思惑や為替動向など外部要因で上下に振れ、方向感の出にくい相場展開が見込まれる。
日経平均の予想レンジは1万3000円─1万4000円。
東証1部の売買代金は、5日に今年最低の1兆6431億円を記録するなど8月に入り減少傾向が鮮明になっている。7月の東証1部売買代金は1日平均約2.2兆円であり、「上値を試すには少なくとも2.3兆円程度の売買代金は必要になる」(みずほ証券シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)とみられているが、市場参加者の多くが休暇モードに入る来週は逆に一段の薄商いとなる可能性が高い。
夏休み期間中も休暇返上で動かざるを得ないとみられているのが、ヘッジファンド勢だ。このところ株価指数先物の売買を利用して半ば強引に相場を動かしているのも「パフォーマンスが上がらず焦っていることの証左」(準大手証券トレーダー)と市場はみている。決算発表終了後のお盆休み入りで、企業サイドからは材料が出にくい。政治日程も秋以降に集中し手がかり材料に欠ける中、ヘッジファンドや値動きに追随する個人ネットディーラーの売買で上下に振れる展開が予想される。
今後の注目イベントは、アベノミクスの成長戦略第2弾、消費増税の最終判断、2020年夏季五輪の開催地決定など9―10月に集中する。8月中はスケジュール面で空白の時間帯であり、為替など外部要因が相場を左右しやすい。特に米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和(QE)の早期縮小観測に市場は神経質になっている。「米国の流動性がさまざまなマーケットの価格形成に大きな影響を与えている。FRBが緩和のアクセルを弱めれば、リスクオフの株安や円高につながる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア投資ストラテジストの折見世記氏)とみられている。
もっとも、日米のファンダメンタルズは悪くない。12日発表の4─6月実質国内総生産(GDP)1次速報は、強い数字が予想されている。企業業績も9月中間決算に向けて上方修正含みだ。「日経平均の予想PERは15倍台で居心地の良い水準」(準大手証券マーケットアナリスト)という。下値を売り込む理由も乏しく、基本的にはレンジ内での動きにとどまりそうだ。
主なスケジュールでは、12日に4─6月GDP1次速報(内閣府)、7月工作機械受注速報、13日に6月機械受注(内閣府)が発表される。海外では13日に7月米小売売上高(商務省)、15日に7月米鉱工業生産(FRB)、16日に7月米住宅着工件数(商務省)が発表される。

株式マーケットチーム

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