米デル買収に主要株主が反対、「あらゆる手段」で対抗へ

米デル買収に主要株主が反対、「あらゆる手段」で対抗へ
2月8日、米デルの主要株主サウスイースタン・アセット・マネジメントは、デルの買収・株式非公開化について、価値を過小評価しているとして反対する考えを表明した。2008年8月撮影(2013年 ロイター/Tim Chong)
[8日 ロイター] 米デルの主要株主サウスイースタン・アセット・マネジメントは8日、創業者のマイケル・デル最高経営責任者(CEO)と買収ファンドのシルバーレイク・パートナーズが率いる企業連合(コンソーシアム)によるデルの買収、株式非公開化について、価値を過小評価しているとして反対する考えを表明した。
このニュースを受け、8日の米国株式市場でデル株は上昇に転じ、0.74%高の13.63ドルで取引を終えた。
サウスイースタンは著名投資家のメーソン・ホーキンズ氏が率い、デルの株式(オプション含む)約8.5%を保有する。
企業連合が1株当たり13.65ドルでの株式取得を提案しているのに対し、サウスイースタンはデルが最近買収した金融サービス部門やその他の資産を加味すれば1株当たり24ドルの価値があると主張した。
案件成立には、マイケル・デル氏未保有株の株主の過半数による承認が必要だが、これまでの報道を踏まえると、デル氏未保有株のうち11%を保有する株主が同企業連合の提案に反対を表明したことになる。デル氏は約16%を保有している。
サウスイースタンのホーキンズ最高経営責任者(CEO)とケイツ最高投資責任者は書簡で、株式非公開化に関する企業連合の提案はデルの価値を著しく過小評価しているとし、強い失望感を示した。
その上で「提案に反対するため、与えられたすべての選択肢を利用する」と表明し、選択肢には委任状争奪戦や訴訟、デラウェア州の法令で認められた評価権限などが含まれるとした。
デルはサウスイースタンの声明について、「取締役会は現金による企業連合の買収案が株主にとって最も利益が大きいと判断した」との声明を発表した。
事情に詳しい関係筋は8日、デルの上位20株主のうち少なくとも3株主が、デル氏率いる企業連合による買収案に反対票を投じるとしたサウスイースタンの決定を支持していると明らかにした。
サウスイースタンの決定を支持しているのはハリス・アソシエーツとヤクトマン・アセット・マネジメント、ゼナ・インベスト・マネジメントの3株主で、合わせて約3.3%の株式を保有しているという。
ハリスとヤクトマンのコメントは現時点で得られていない。ゼナのリチャード・ゼナ会長は、デルの買収は1株当たり20ドル程度で行われるべきで、そうでなければデルは他の選択肢を模索すべきだと述べた。

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