エアバス、リチウムイオン電池のリスクを昨年の業界会合で指摘

エアバス、リチウムイオン電池のリスクを昨年の業界会合で指摘
1月28日、エアバスがリチウムイオン電池に関連したリスクを、B787型機の運航停止措置が取られる約1年前に業界会合で指摘していたことが明らかになった。2006年10月撮影(2013年 ロイター/Morris Mac Matzen)
[パリ/デトロイト 28日 ロイター] 米ボーイング787型機(B787)の問題で焦点となっているリチウムイオン電池に関連したリスクを、エアバスが、787型機の運航停止措置が取られる約1年前に業界会合で指摘していたことが明らかになった。
ロイターは、エアバスが2012年3月の航空業界会合で行ったプレゼンテーション資料を入手した。それによると、エアバスの安全担当責任者は、リチウムイオン電池が「熱暴走」と呼ばれる異常な発熱を起こした場合に発火、爆発するリスクを挙げ「リチウム・バッテリーに関連したリスクには、業界全体が注目すべき」と指摘した。
B787については現在、日米の関係当局がバッテリー部分に焦点をあてて調査を進めている。
エアバスは、プレゼンテーションについてコメントを差し控えた。
リチウムイオン電池は、携帯端末やハイブリッド車など、さまざまな製品に使われている。エアバスもA350型機でリチウムイオン電池を採用する予定。
エアバスはプレゼンテーションで、機内に持ち込まれたり預け入れられる消費者向け製品や点滅灯などの非常用装置、A350に搭載されるシステムバッテリーなどを取り上げ、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池の消火にはハロン1301が効果的などと説明した。A350のメーン・バッテリーに消火システムが搭載されるかどうかは明らかにしなかった。
エアバスは、A350のバッテリーの設計についてコメントを差し控えた。バッテリーの製造元である仏サフトもA350についてはノーコメントとしている。
エアバスの広報担当者は電子メールで「エアバスは787の調査を踏まえた勧告を注意深く精査し、A350に適用するかどうか評価する方針」と述べた。
*見出しと本文の一部を修正します。

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