英首相「死ぬのは高齢者だけ」とロックダウン拒否、元側近が暴露

英首相「死ぬのは高齢者だけ」とロックダウン拒否、元側近が暴露
 ドミニク・カミングス前英首相上級顧問(写真)はBBCのテレビインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大を抑制するために昨年秋に導入された2度目のロックダウン(都市封鎖)について、犠牲になるのは高齢者だけだとしてジョンソン首相が実施に難色を示していたと明らかにした。7月20日の放送に先立ち、インタビューの抜粋が19日に公開された。2020年11月撮影(2021年 ロイター/Toby Melville)
[ロンドン 19日 ロイター] - ドミニク・カミングス前英首相上級顧問はBBCのテレビインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大を抑制するために昨年秋に導入された2度目のロックダウン(都市封鎖)について、犠牲になるのは高齢者だけだとしてジョンソン首相が実施に難色を示していたと明らかにした。首相は医療体制が逼迫している状況も否定したという。
カミングス氏がテレビインタビューに応じるのは昨年の辞任以降初めて。20日の放送に先立ちインタビューの抜粋が公開された。それによると、ジョンソン首相は「死亡しているのは基本的に80歳以上だ」とし、ロックダウンに否定的な姿勢を示した。
また、感染拡大の初期に政権内で感染が広がっている兆候があり、国民には特に高齢者との不必要な接触を控えるよう指示が出されていたにもかかわらず、エリザベス女王(95)に会おうとしたという。
カミングス氏はジョンソン首相が側近に宛てたという10月からの一連のメッセージに言及した。
ロイターはこれらのメッセージについて、信ぴょう性を確認できていない。
ジョンソン首相の報道官は「首相は最善の科学的助言を得て、国民の命と生活を守るために必要な行動」を取ったと述べた。
野党・労働党は、カミングス氏の暴露により公式な調査の必要性が高まったとし、「首相が公衆衛生を犠牲にして何度も間違った判断をしてきたことが改めて示された」と指摘した。

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