原油先物は続落、上海封鎖の長期化を嫌気 約2週間ぶり安値

原油先物は続落、上海封鎖の長期化を嫌気
原油先物はアジア時間に続落。中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)長期化や今後見込まれる米利上げが世界経済の成長や燃料需要を下押しするとの懸念が背景にある。写真は、米テキサス州の戦略石油備蓄基地の様子。2016年6月9日に撮影。(2022年 ロイター/Richard Carson )
[東京 25日 ロイター] - 原油先物はアジア時間に続落。約2週間ぶりの安値となっている。中国・上海市のロックダウン(都市封鎖)長期化や今後見込まれる米利上げが世界経済の成長や燃料需要を下押しするとの懸念が背景にある。
0326GMT(日本時間午後0時26分)時点で北海ブレント先物は3.15ドル(3.0%)安の1バレル=103.50ドル。一時103.41ドルまで下げ、4月12日以来の安値を付けた。
米WTI先物は3.01ドル(3.0%)安の99.06ドル。一時98.93ドルまで下げ、4月12日以来の安値を付けた。
北海ブレント先物とWTI先物は先週、需要に対する懸念で5%近く下落した。
日産証券の菊川弘之氏は、中国当局が上海で新型コロナウイルス対策のロックダウンを継続し、米国の連続利上げに投資家が身構える中、弱気心理が世界的な供給不安を上回ったと指摘。
米国のガソリン需要が増える夏のドライブシーズンが5月に始まるのを前に、投資家はポジション調整を図っていると述べた。
ただ、ウクライナ危機の深刻化に伴い欧州連合(EU)がロシア産原油の禁輸措置に踏み切る可能性があるため、原油相場は90ドルを割り込まない見込みだとした。
関係筋によると、ロシアとカザフスタンのカスピアン・パイプライン・コンソーシアムは22日に原油輸出を約30日ぶりに全面再開する見込みとなった。
ただ、ウクライナ危機でEUにはロシア産原油の輸入を禁止するよう圧力が強まる可能性があると一部のアナリストはみている。
モルガン・スタンレーは第3・四半期の北海ブレントの価格予想を1バレル当たり10ドル引き上げ、130ドルとした。ロシアとイランの供給減は、短期的な需要減退より影響が大きいと見込んでいる。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab