ドル/円が1カ月半ぶり78円割れ、欧州勢の参加で一段のリスク回避

ドルが対円で77円台に下落、6月4日以来=外国為替市場
7月23日、外国為替市場でドルは78.00円を割り込み、一時77.94円まで下げた。77円台への下落は6月4日以来。都内で2010年9月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 23日 ロイター] 日本時間午後の外国為替市場でドル/円が1カ月半ぶりに78円を割り込んだ。東京市場では介入警戒感が下支えしていたが、欧州勢の参加とともに市場のリスク回避姿勢が一段と強まり、円買いが進んだ。
ドル/円が77円台をつけるのは6月4日以来。前週末にスペインをめぐる悪材料が相次ぎ、この日の東京市場はユーロが続落した。ユーロ/円は2000年11月以来の安値水準となる94円前半まで下落した。さらに欧州時間に入ると、イタリアの銀行株が売られるなど金融市場のリスク回避が加速。ユーロが一段安となったほか、安全資産とされる米10年債の利回りが低下基調を鮮明にし、対ドル、対ユーロともに円が買われた。
バンクオブアメリカ・メリルリンチのシニアFXストラテジスト・藤井知子氏は、ユーロ圏発のリスク回避が続き、クロス円に下落圧力が掛かるなかで、ドル/円の復調は見込みにくいと指摘。政府・日銀による介入の可能性については「76円を試す展開になるまで介入という話にはなりにくい」と話す。ユーロ/円で日本の当局が単独介入に踏み切っても、欧州債務問題が根本解決されないままではユーロ安の流れを反転させることはできないため、ユーロ/円で単独介入に踏み切る可能性は低いという。
*内容を追加します。

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