訂正:米株急反落、緩和縮小めぐるFRB議長発言で下げ幅拡大

米株急反落、緩和縮小めぐるFRB議長発言で下げ幅拡大
6月19日、米国株式市場は急反落。米連邦公開市場委員会後の記者会見でバーナンキFRB議長が年内に量的緩和を縮小する可能性があると述べたことを受けて下げ幅を拡大した。ニューヨーク証券取引所で撮影(2013年 ロイター/Brendan McDermid)
[ニューヨーク 19日 ロイター] - 19日の米国株式市場は急反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でバーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長が経済が堅調に推移すれば年内に量的緩和を縮小する可能性があると述べたことを受けて下げ幅を拡大した。
ダウ工業株30種<.DJI>は206.04ドル(1.35%)安の1万5112.19ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は38.98ポイント(1.12%)安の3443.20。
S&P総合500種<.SPX>は22.88ポイント(1.39%)安の1628.93。
バーナンキ議長は、経済が予想通り推移すればFRBは年内に資産買い入れ縮小に着手し、来年半ばまでに終了する可能性があるとの見通しを示した。投資家は量的緩和の縮小を予想していたものの、議長の発言は開始時期の見通しとしてはこれまでで最も明確なものとなったことから、株価は商いを伴って急落した。
ハンティントン・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ランディ・ベイトマン氏は、「前回の量的緩和縮小をめぐる発言で市場がかなり揺れたことから、議長が縮小に言及したことは驚きだった」と述べた。
個別銘柄では、アドビシステムズが5.6%上昇。前日に発表した第2・四半期(3─5月)決算で、調整後の1株利益が市場予想上回った。
フェデックスは1.1%高。第4・四半期(5月までの3カ月)決算で一部項目を除いた利益が予想を上回った。陸上輸送が好調だった。
スプリント・ネクステルは4.4%安。同社買収をめぐり、ソフトバンク<9984.T>と争っていたディッシュ・ネットワークが修正案の提出を見送り、ソフトバンクによる買収がほぼ確実になった。
不動産投資信託(REIT)関連株の下げがきつかった。MSCI米REIT指数<.RMZ>は3.1%下落。ペンシルバニア不動産投資信託は2%安となった。
REITは、課税所得の少なくとも90%を株主へ配当として分配していれば、法人税が課税されないが、バーナンキ議長が量的緩和政策を終了する可能性を示唆し始めて以来、同指数は12%下落した(訂正)。
ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は約66億5000万株と、年初来の1日平均の約63億6000万株を上回った。
ニューヨーク証券取引所では80%以上の銘柄が下落。ナスダックでも70%が下落した。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値(非公式)    15112.19(‐206.04)
前営業日終値    15318.23(+138.38)
ナスダック総合<.IXIC>
終値(非公式)    3443.20(‐38.98)
前営業日終値    3482.18(+30.05)
S&P総合500種<.SPX>
終値(非公式)    1628.93(‐22.88)
前営業日終値    1651.81(+12.77)
*本文中の「バーナンキ議長がこの政策を終了する可能性を示唆した」を「バーナンキ議長が量的緩和政策を終了する可能性を示唆し始めて以来、同指数は12%下落した」に訂正します。

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