仏ルノー、欧州不振で工場の完全閉鎖も検討=報道

仏ルノー、欧州不振で工場の完全閉鎖も検討=報道
9月30日、仏自動車大手ルノーが、欧州自動車市場の厳しい状況を理由に、工場の完全閉鎖を検討していることが明らかに。写真はパリ国際自動車ショーに展示された同社の車。9月撮影(2012年 ロイター/Christian Hartmann)
[フランクフルト 30日 ロイター] 仏自動車メーカー、ルノーは、欧州自動車市場の厳しい状況を理由に、工場の完全閉鎖を検討している。カルロス・タバレス最高執行責任者(COO)が、30日付の独自動車専門紙アウトモービルヴォッへに掲載された記事で述べた。
同COOは「そのうち分かるだろう。現在、労働組合と協議しており、競争力の差がどれほど大きいか説明している。われわれは西欧とフランスで競争力の問題を抱えている」と語った。
欧州市場の長引く悪化は、フォルクスワーゲン(VW)などこれまで影響を受けていなかったメーカーにも影響を及ぼし始めている。VWの販売担当取締役、クリスティアン・クリングラー氏は先週、パリ自動車ショーで、「2013年にはさらなるネガティブサプライズを見込んでいる。おそらく2014年もだ」と警告した。
ルノーのタバレスCOOは、日産自動車<7201.T>との提携によって、提供された英サンダーランドとスペインのバルセロナの日産工場の生産性に関するハードデータに言及。「これらの工場はトップクラスだ」と述べ、日産が生産能力をルノーに提供できるかどうかについて協議が行われていることを明らかにした。
COOは「これが1つの可能性だ」と語った。
ルノーの広報担当者はこの報道についてコメントを拒否したが、同社のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は28日、国内市場で競争力を失った場合、同社が「現在の形」でなくなる可能性があると指摘した。
ただ、現時点でフランスで人員削減の計画はないとも述べた。

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