世界の通貨戦争、欧州が加わればいっそう深刻化も=ブラジル財務相

世界の通貨戦争、欧州が加わればいっそう深刻化も=ブラジル財務相
2月8日、ブラジルのマンテガ財務相(写真左)は、欧州が通貨切り下げ競争に加われば、世界的な「通貨戦争」がいっそう深刻化する恐れがあるとの見解を示した。ブラジリアで2012年12月撮影(2013年 ロイター/Ueslei Marcelino)
[ブラジリア 8日 ロイター] ブラジルのマンテガ財務相は8日、欧州が通貨切り下げ競争に加われば、世界的な「通貨戦争」がいっそう深刻化する恐れがあるとの見解を示した。
欧州は雇用保護などを目的にユーロ安を誘導するのではなく、投資拡大を通じた景気浮揚に軸足を置くべきとした。
7日遅くにロイターとのインタビューで語った。
財務相は「世界経済が加速しない限り通貨をめぐる問題は続く」とし、「経済の活力を高め、低迷から脱却させることが解決への道だ」と述べた。
マンテガ財務相は2010年に、世界経済減速を背景に自国の輸出拡大を目指した先進国の通貨切り下げ競争を「通貨戦争」と表現した。以降ブラジルは、国内産業を保護し輸出競争力を高めるため、レアル安を誘導してきた。
財務相はインタビューで、こうしたアプローチがどの国にも適切というわけではなく、とりわけ先進国には有効ではないと指摘。「欧州連合(EU)が米国やアジア、さらにブラジルに対しても輸出を拡大させることで危機から脱却しようとしても無駄だ」とし、「非常に限られた市場で相手を押しのけようとしている」との見方を示した。
その上で「(来週の)20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での最も重要な議論は刺激策を復活させることだ」と強調した。

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