「訴えれば?」の声もあったが欲しいものは慰謝料ではない
写真はイメージです
翌日には経緯報告書が届きました。なるほど、大まかな流れは把握できました。ようやく次のフェーズに移行できる状態になったわけです。
しかし、ここに来てなお、私はこの後でどの様な行動を起こすべきなのか、決めあぐねていました。
先方が番組をあげて謝罪や訂正を行っている以上、直で会って話を聞いた時点で一般的には手打ちでしょう。でも、
私の中で「本当にそれで終わらせていいのか?」というモヤモヤが全く晴れてくれないのです。
「民事訴訟で訴えれば慰謝料とか貰えるんじゃない?」そうアドバイスをしてくれた人もいましたが、私にとってそれはあまり意味を為(な)すものではないと気付いていました。
確かに1分足らずのワンコーナーだったかもしれない。生放送という素人でもわかるほど忙しい現場にとって、大したことないと思うようなミスだったのかもしれない。
けれど、
それがテレビという大きなメディアから発信されることによって、一人の人間に負の印象を与えかねないこと。大きな誤解を生むこと。心の傷になり得ること。番組を制作するうえで、私はスタッフの方々に一度立ち止まって考えて欲しかったのです。
12月9日、私は自身の夫と「女子SPA!」編集部の方々とともにTOKYO MXに出向きました。TOKYO MX制作局長、『5時に夢中!』プロデューサー、曜日担当のディレクターからは、まずは全面的な謝罪と、今回の経緯、さらに今後の対策の報告説明をいただきました。
私はもう心に決めていました。
欲しいものは、繰り返される謝罪でもなければ、慰謝料でもないのです。会合中、私は一つの要望を口にしました。
「今回の一連を私の視点で記事化させてもらい、番組として取材を受けて欲しい」と。
これに対し、TOKYO MXからは「お受けしたい」という返答をいただきました。ここから先は、『5時に夢中!』プロデューサー・丹波忠寛(たんば・ただひろ)氏への、もちづき千代子による直撃インタビューとなります。
ナレーションでは登場しないのに“顔写真だけ”露出した理由
TOKYO MX『5時に夢中!』プロデューサー丹波忠寛氏
――今回の事態を引き起こした経緯の説明を、改めてお願いいたします。
「この度のことは、『5時に夢中!』内のネット記事を紹介するコーナー『日刊BINKANランキング』内で起こりました。コーナーは記事そのものを映しながら、記事を要約した原稿読みと合わせて進行する形です。
当日も曜日担当ディレクターが、テロップを作成するCG室に、記事のどの部分を映すか、どの写真を使用するか、絵割りの指示を行っていました。
この時点でディレクターは、読み原稿に、もちづきさんの具体的なエピソードが含まれることを想定しています。しかし、放送作家が書いた読み原稿からは、その部分が省かれていたのです。ディレクターは本来であれば、絶対に作家に対して指示や事前の擦り合わせをしなければならなかったんです」
――その結果、私の写真は副調整室からそのままオンエアされた、と。
「はい。
もちづきさんの写真はトータル8秒露出してしまいました。
当日に
読み原稿とテロップを統合して不自然な部分があるのかを、ディレクターおよび私たちプロデューサー、さらに総合演出も行っていなかったのが直接の原因になります」