スマートフォンの急速な普及やLTEネットワークの本格展開、動画をはじめとする大容量コンテンツのさらなる需要拡大などを背景に、ネットワークトラフィックは増加の一途をたどっている。その勢いは今後一層激しいものになると予想されており、通信事業者では対応を迫られている。
爆発的に増えるトラフィック対応策の切り札となるのが、いよいよ商用ネットワークでの導入が本格化しつつある100ギガビットイーサネット(100GbE)だ。だが、導入段階ではまだまだ主流の1GbE/10GbEネットワークと100GbEネットワークを、どのようにして設備効率よく収容すれば良いのだろうか。また、エンドユーザーのニーズに応えるための新たなサービスやアプリケーションへの柔軟性、社会的要請の強い電力制限への対応といった課題もある。
通信事業者に突きつけられたこのような課題を解決するため、アラクサラネットワークスが市場投入する100GbEハイエンドルータが「AX8600R」シリーズだ。間もなく開催される「Interop Tokyo 2013」のShowNetでも実際に運用が行われるこの製品は、現代のネットワークが抱える諸問題に対応するための設計思想がさまざまな面に表れたものとなっている。
バックボーンネットワークの様々な課題をAX8600Rシリーズで解決する
高性能かつ、マイグレーション段階に応じた効率的な投資が可能
AX8600Rシリーズは、現在同社が提供している「AX7800R」シリーズの上位製品で、収容回線容量別に6Uサイズの「AX8608R」、同10Uの「AX8616R」、同16Uの「AX8632R」の3機種が用意される(AX8608Rは将来リリース予定)。
AX8616Rは100GbEの場合最大8ポート、10GbEの場合最大96ポート、AX8632Rは同じく100GbE最大16ポート、10GbE最大192ポートを収容可能。今後提供予定の新たな10GbEラインカード(NIF)を搭載すれば10GbE回線の収容容量は倍となり、AX8632Rでは16Uサイズで10GbEを実に384ポートと、業界トップクラスの収容効率を実現する。また、経路テーブルはIPv4で180万、IPv6で90万のフルルート対応となっており、キャリア、ISP、研究機関といったハイエンド需要にも余裕を持って対応できるパフォーマンスを有している。将来の実用化が期待される400Gbps、1000Gbpsのインタフェースもサポート可能な設計となっており、長期にわたって安心して使用することができる。
ラインカードは1/4スロット単位での増設・交換できるユニークな構造となっており、100GBASE-R(CFP)、10GBASE-R(SFP+)、1000BASE-X(SFP)、そして10/100/1000BASE-T(UTPケーブル)のインタフェースを混在して収容可能。導入当初は1GbEの収容をメインとし、機器のアップグレードに従って順次10GbE、更には100GbEまで移行していくことが可能なので、設備投資を効率的に行える。
ラインカードを1/4スロット単位で増設・交換できる構造を採用し、マイグレーションを効率良く行える
続いてのページでは、次々と登場する新たなプロトコルなどに対し、高性能と柔軟性を保ったままで対応を実現する、特徴的な「ハイブリッドエンジンアーキテクチャ」について解説したい。
インフォメーション--Interop Tokyo 2013に出展!
最新の市場ニーズに対応すべく開発が進められてきたAX8600Rシリーズについて、アラクサラネットワークスではいよいよ今年度第2四半期に一般向けに製品出荷を開始する予定だ。
6月12日~14日に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2013」では、各社の相互運用性を検証するライブネットワークである「ShowNet」にAX8600Rシリーズが接続され、商用に限りなく近い環境で製品のデモンストレーションが行われる。
また、展示会場のアラクサラネットワークスブースでは、同社最新製品の展示や説明などを通じてより詳細な情報を得ることもできる。100GbE時代への最適解を、ぜひ自身の目で確かめていただきたい。