「Windows 10」最新パブリックプレビュー版の最も大きな変更点の1つに対して、テスターが抗議の声を上げている。
Microsoftの「UserVoice」サイトで、筆者の同僚のMary Branscombe記者が投稿した「機能提案」には本稿執筆時点で2585件の票が投じられており、その合計は絶え間なく増え続けている。
以前のように、同期されているかどうかに関係なく、「Explorer」にすべての「OneDrive」ファイルを表示させる高度なオプションを追加してほしい。
ファイルがローカルで同期されているかどうかに関係なく、ExplorerにOneDriveのすべてのファイルを表示させる機能が私には必要だ。この統合機能が失われたら、ほかのクラウドの代わりにOneDriveを使う利点がなくなってしまう。パワーユーザーのために、以前のようにすべてのファイルを表示させることができるオプションを追加し、アイコンオーバーレイを使って、ローカルのファイルとクラウドのファイルを区別できるようにしてほしい。
その投稿の下にあるコメントのほぼ全てで、同変更に対する否定的な意見が書かれている。
彼らが抗議している変更点は、「Windows」とOneDriveクラウドストレージサービスの連携の仕方に関するものである。OneDriveは、「モバイルファースト、クラウドファースト」時代における、Microsoftの最重要OSの代表的な機能だ。
「Windows 8.1」から、OneDriveクライアントは「スマートファイル」というコンセプトを導入した(このコンセプトは2013年7月のブログ投稿で華々しく先行披露され、数カ月後のWindows 8.1公開の際に正式発表された)。この機能は、Windows 10の最初の2つのプレビューリリースでは変更されなかった。
「Windows 10 Build 9860」搭載PCで、筆者のOneDriveフォルダは以下のように表示される。
スマートファイルを使用する場合、「File Explorer」のOneDriveフォルダは、サインイン済みアカウントのコンテンツ全体を、クラウドだけに保存されているファイルもローカルで利用可能であるかのように表示する。このPCでは、1つのフォルダのみに「Available offline」(オフラインで利用可能)という印が付けられている。そうしたオフラインで利用可能なファイルについて、ローカルのOneDriveフォルダには、クラウド上のオリジナルファイルの完全に同期されたコピーが保持される。「Online-only」(オンラインのみ)に設定したファイルとフォルダの場合、スマートファイルは実際のファイルではなく、メタデータとサムネイルを含む小さなスタブとなっている。
この巧みな設計のおかげで、ユーザーは膨大なクラウドライブラリのコンテンツ(例えば、100Gバイト分の写真)をあたかもローカルデバイスで利用可能であるかのように閲覧できるが、それに必要なスペースはそれらのコンテンツの総容量よりはるかに少なくて済む。
「Build 9879」で、そうしたスマートファイルのプレースホルダは姿を消した。File ExplorerでのOneDriveコマンドも撤廃された。
この新しいビルドから、これらのタスクはすべて「OneDrive Sync App」(バックグラウンドで動作し、システムトレイにアイコンが表示される)内から実行しなければならなくなった。フォルダをオフラインで利用できるように、同期を指定するには、ツリースタイルのリストを開いて、チェックボックスにチェックを入れて選択する。
選択されなかったファイルは全く同期されない。それらのオフライン限定のファイルについては、File Explorerにプレースホルダは作成されず、ウェブブラウザでOneDriveにアクセスする以外に、そうしたファイルが存在していることを知る術さえない。