富士通研究所と富士通は、オープンデータを活用した企業情報分析ウェブアプリを6月15日から無償公開している。国税庁が公開している法人番号とインターネット上に分散している企業に関する“Linked Open Data(LOD)”形式の公開情報を紐付けるもの。
LODは、Linked Data形式で公開されているデータセット群のことで、現在、900以上の主要なデータ公開サイトがあり、全体では1万以上のデータセットがある。富士通研究所は、2013年からLOD活用検索サービス「LOD4ALL」を展開しており、今回のウェブアプリもLOD4ALLと連携している。
企業情報画面(左)と地域情報画面(富士通研究所提供)
今回のウェブアプリでは、LODのデータのリンクをたどりながら複数のサイトにまたがる情報を表示できる。同じ調査対象に関して複数の観点で分析し、用途に応じて切り替える複数観点表示機能を搭載している。
例えば、法人向けの営業担当者が担当地域の企業情報をいち早く入手したり、新規開拓先企業の吸収合併の履歴や地域内での政府調達ランキングなど営業活動に有益な情報を確認したりすることが可能になる。公共団体や金融機関が地域の経済状況や企業間の関係を俯瞰することも可能になる。
表示される企業情報は、法人概要として企業ロゴなど関連画像、関連企業情報、所在地の地図情報、法人の吸収合併のネットワーク、府省との契約情報など。調達情報では、政府各省庁と企業の主な調達関係をネットワーク状に表示する。また、地域情報としては、地域の産業や法人に関する統計情報、ランキング情報を表示する。
今後は、データの量や品質を強化しながら、関連する企業情報を紐付けするAPIを通じて、オープンデータとユーザー企業が持つ取引データや顧客情報などの個別の情報を関連付けて分析、表示するサービスを展開していく。このサービスは、富士通が提供するAI活用支援プラットフォーム「FUJITSU Cloud Service K5 Zinraiプラットフォームサービス」の1つとして2017年中に製品化する予定。
新サービスのイメージ(富士通研究所提供)