IDCフロンティア、さくらインターネット、ニフティの3社は9月15日、連携してエーティーワークスが提供するデータ保存専用サーバ機器「Store-Box Air」に各社のオブジェクトストレージを提供し、分割されたデータを異なるクラウド事業者のデータセンターに安全に保存できる仕組みを実現したと発表した。Store-Box Airは、エーティーワークスが9月28日より提供を開始する。
秘密分散技術を用いたクラウド分散保存のイメージ
企業で保管するデータの種類は多岐にわたり、事業存続に必要な業務データだけでなく、個人のプライバシーに関わる医療データや、監視カメラで記録された映像など、慎重な取り扱いを求められる秘匿性の高いデータも増加してきている。特に中小企業にとっては、年々増大するデータを継続して保管し続けるために、数百万円から数千万円単位で必要となるストレージ機器の設置コストや維持・運用工数の低減、またデータの漏えいや消失などといったリスクの最小化が大きな課題となっている。
今回のクラウド分散保存の仕組みは、こうした課題に応えるもの。
Store-Box Airは、オフィス内に設置するだけで、月額約3万円のコストで秘匿性の高いデータをクラウド上に分散して保存できる、データ保存専用の小型アプライアンスサーバ。データの保存には、一定数以上の分割されたデータをそろえない限り元データに関する情報を得ることができない秘密分散技術を用いており、非常に細かいレベルで分割された各々のデータ(分割データ)だけでは、元データを復元することはできない仕組み。さらに、分割データ自体に冗長性を持たせることで、仮に分割データの一つが欠けても元データを復元することができるようになっている。
この分割データの保存先となるのが「IDCFクラウド」「さくらのクラウド」「ニフティクラウド」の各オブジェクトストレージで、各クラウド事業者の地理的にも分散された国内データセンターに保存するため、より安全な状態でデータを保管することが可能という。