IDC Japanは8月23日、日本国内におけるクライアントPC市場出荷実績値について発表した。2016年第2四半期(4月~6月)の国内クライアントPC出荷台数は、ビジネス市場が前年同期比10.7%増の145万台、家庭市場が同14.1%減の104万台となり、合計で同1.2%減の約250万台となった。
ビジネス市場の二けた成長が寄与したことで、前年同期並みの出荷台数に戻ってきたという。ベンダー別に見ると、富士通、Dell、HPの出荷台数がプラス成長だったことが大きく貢献している。
2016年第2四半期 国内クライアントPC出荷台数 トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値)
シェア上位ベンダー5社を見ると、Dellが前年同期比29.5%増と出荷台数を大きく伸ばして3位につけた。上位5社の中でビジネス市場、家庭市場ともにプラス成長を遂げたのはDellとHPのみ。一方、前期3位だった東芝が5位に順位を落とした。
- NECレノボグループは、ビジネス市場で前年同期比15.6%増、家庭市場では同比20.7%減となり、全体では3.2%減となった。
- 富士通は、ビジネス市場で前年同期比21.0%増、家庭市場では同比21.5%減となり、全体では1.6%増となった。
- Dellは、ビジネス市場で前年同期比13.8%増、家庭市場では同比74.9%増となり、全体では29.5%増となった。特に家庭市場では、家電量販店向け出荷が順調に伸び、今期の高い成長率に貢献している。
- HPは、ビジネス市場で前年同期比10.1%増、家庭市場も同比10.6%増のプラス成長、全体では10.1%増となった。
- 東芝は、ビジネス市場で前年同期比10.4%増、家庭市場では同比18.3%減となり、全体では5.8%減となった。
同社PC、携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャーの片山雅弘氏は、以下のように分析している。
「ビジネス市場が今期好調だった要因には、10月31日で販売終了予定のWindows 7搭載PCのLast buy(ディストリビューター等による一時的な買い込み)が寄与している。しかし、これは一時的なもので、企業の需要は2015年並みになると見ている」