米Gartnerの“先進テクノロジ”のハイプサイクルが発表された。企業がデジタルビジネスの実現に向けて動き始める中で、適切なテクノロジを適切なタイミングで明確に捉え、導入することが不可欠であるとしている。
ハイプサイクルは、今回の2014年版で20周年となる。ハイプサイクルの中でも、先進テクノロジのハイプサイクルは最も歴史が古く、ビジネス戦略担当者、最高イノベーション責任者、研究開発(R&D)リーダー、起業家、グローバルマーケットデベロッパー、先進テクノロジチームが先進テクノロジのポートフォリオを策定する際に考慮すべきテクノロジとトレンドが、業種横断的な視点で示されている。
今回の先進テクノロジのハイプサイクルには、デジタルワークプレースやコネクテッドホーム、エンタープライズモバイルセキュリティ(EMM)、3Dプリンティング、スマートマシンが新たに加わった。
先進テクノロジのハイプサイクル(ガートナー提供)
デジタルビジネスに向けたロードマップでは、(1)アナログ、(2)ウェブ、(3)Eビジネス、(4)デジタルマーケティング、(5)デジタルビジネス、(6)オートノマス(自律型)――という6つのステージのビジネスモデルが定義されている。先進テクノロジのハイプサイクルでは、より新しいテクノロジに着目しており、多くのテクノロジが後半の3つのステージに属するものとなっている。
デジタルマーケティング
デジタルマーケティングのステージでは、モバイルやソーシャル、クラウド、インフォメーションの強固な結び付きである“力の結節(Nexus of Forces)”が重要となる。このステージを代表するテクノロジは以下の通り。
ソフトウェア定義、立体ホログラフィックディスプレイ、ニューロビジネス、データサイエンス、プリスクリプティブ分析、複合イベント処理(Complex Event Processing:CEP)、ゲーミフィケーション、拡張現実(AR)、クラウドコンピューティング、NFC、仮想世界、ジェスチャコントロール、インメモリ分析、アクティビティストリーム、音声認識
デジタルビジネス
このステージでは人、企業、モノの統合に焦点が当てられ、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)、物理的世界と仮想世界の境界があいまいになるという考え方が強力なコンセプトとなっている。代表的なテクノロジは以下の通り。
生体音センサ、デジタルセキュリティ、スマートワークスペース、コネクテッドホーム、3Dバイオプリンティング、アフェクティブコンピューティング、音声翻訳、IoT、暗号通貨、ウェアラブルユーザーインターフェース、コンシューマー3Dプリンティング、マシン対マシンコミュニケーション、モバイルヘルスモニタリング、企業向け3Dプリンティング、3Dスキャナ、コンシューマーテレマティクス
オートノマス
企業はこのステージで人間と同様(ヒューマンライク)な能力または完全に人間に代わる能力を提供するテクノロジを利用できるようになる。自律走行車での輸送、コグニティブシステムによるテキストの書き込みや顧客からの問い合わせへの回答などが含まれる。このステージへ到達することを目指している企業が検討すべきハイプサイクルのテクノロジは以下の通り。
仮想パーソナルアシスタント、ヒューマンオーグメンテーション、ブレインコンピュータインターフェース、量子コンピューティング、スマートロボット、バイオチップ、スマートアドバイザ、自律走行車、自然言語による質疑応答システム