以前にも紹介したことのあるThe GuardianのCharles Arthurという編集者が4月初めに「ウェアラブル端末購入者の約3分の1が半年以内に利用をやめてしまっている」という話を掲載して、一部で話題になっていた。
Arthurは自分が直接見聞きしたエピソード――1万人以上の従業員がいる、ある組織の社内イントラ(の掲示板)にSamsung製「Galaxy Gear」(市販価格299ポンド)が100ポンドで売りに出されたものの、1週間経ってもまったく買い手が付かなかったという話をとっかかりにして、その後今年1月に公開されていたEndeavour Partnersという米企業の調査レポート(PDF)に言及している。
このレポートはいわゆる“アクティビティトラッカー”――「Jawbone」「Fitbit」「Nike+ FuelBand」などの類いに重点が置かれているが、中には「2013年9月時点で、18歳以上の10人に1人がこうした製品を所有」「しかし、実際の利用率は月を追うごとに減少(下降)してゆき、6カ月経つと利用率は約3分の2になる」などと記されている。
長い間、腕時計もあまりせず、身体を動かすことも少ない人間としては「18カ月経っても約半数が使い続けている」ということの方に感心してしまうが、いずれにしても“肌身離さず”といった言葉がしっくりくるスマートフォンなどに比べれば、はるかに“放置率”が高い、ということだろう。
「2014年はウェアラブル端末の年」などといわれ、実際に年初のCESや2月にバルセロナで開かれたMobile World Congress(MWC)でも、その類いに入りそうな新製品やプロトタイプがいろんな企業から発表されていた。3月後半にはGoogleから「Android Wear」も発表されていたから、今後さらにいろんなメーカーがこうした製品を開発、投入してくることになるのだろう。
Appleにしても「Healthbook」という健康フィットネス関連のアプリ/プラットフォームを準備しているという話がもっぱらなので、早晩この方面の新製品を出してくるのかもしれない(いつまで悠長に構えていられるかはまた別の問題だろうが)。
[Introducing Android Wear Developer Preview]
[Samsung Gear 2, Samsung Gear Fit : Official Hands-on]
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まだ全容の見えないAppleのものは別にして、Android Wearや「Samsung Gear」の説明をみていると、どうもいまだに「スマートフォンを補助する情報出力端末」というところから抜けきれていないような印象を強く受ける。そして、今ひとつ面白味に欠けるというか、「この小さな画面を通じて、どれだけのインタラクションができるんだろうか」などと思わずにいられない。