オープンソース/フリーソフトウェアの流れの中で最も広く利用されているライセンスについて、遵守を求める法律家のチームが訴訟も辞さない構えを見せている。
これまでは、GNU General Public License(GPL)の違反が見つかると、関係者同士で静かな話し合いが行われてきた。オープンソースソフトウェアの不正利用から生じる規約遵守の問題は、長年にわたってそうした話し合いを通して解決されてきた。しかし最近は、Software Freedom Law Center(SFLC)が強硬な姿勢を見せている。GPLの要求条件に従わなかったとして、Monsoon Multimediaに対して著作権侵害訴訟を起こしたのである。
SFLCの担当弁護士であるDan Ravicher氏はこの訴訟について、GPLの遵守を求める活動に強い法的根拠を持たせるためのさまざまな取り組みの一環ではないと語る。しかし、今回の訴訟は被告の1社だけではなく、はるかに多くの関係者に影響を与える。
「GPLに対する無関心や徹底的な無視など、ひどい例がいまだに後を絶たない」と語るJames Harvey氏は法律事務所Hunton & Williamsに所属する弁護士だが、自身はこの訴訟に関与していない。「SFLCであれ、著作権保有者であれ、またはオープンソースエコシステム内の第三者であれ、誰かが動いてこういうひどい例を改めさせるケースが増えていくと思う」という。
SFLCが米国時間2007年9月20日に告訴した後に、Monsoon Multimediaは今後はGPLを遵守するとコメントした。しかしそれだけでは、弁護士が訴訟を取り下げるには不十分である。
Ravicher氏は「今になって規約を守るというだけでは、問題の解決には十分ではない。唯一の罰則が規約を守ることだとすれば、それは見つからなければライセンスに違反してもいいと言っているようなものだ」と語り、SFLCが今後どのような措置を求めていくかについてはコメントを控えた。