「オープンソースよりオープンスタンダード」ミックス型で選択の幅を広げるのがベンダーの役割--富士通

宍戸周夫(テラメディア)

2007-04-09 00:47

 日本のコンピュータ市場を創った富士通は、メインフレームのコア技術をオープンなプラットフォームに取り込んだ基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を提供するなど、OSSに対しても先進的な取り組みを進めている。

エンジニア力でOSSをカバー

 富士通はサーバ、ストレージ、ミドルウェア、ネットワークをインテグレーションしたIT基盤「TRIOLE(トリオーレ)」を掲げ、メインフレームからUNIX、Windows、 LinuxまでのOSに対応した数多くのサーバを提供している。

 そのTRIOLEに基づき、基幹Linuxのサーバプラットフォームとして「PRIMEQUEST」を提供。Itanium2、Red Hat Enterprise Linuxという組み合わせで、ハイエンド市場に照準を合わせた。

 常務理事でソフトウェア事業本部エグゼクティブアーキテクトの石田安志氏は語る。

 「可変要素というか、パラメーターが増えるほど不安定要素は増えるわけです。従来のメインフレームでは自らこのパラメーターを減らすことはできても、オープンの世界ではなかなかそうはいきません。さらにミッションクリティカルということになると、切り口が多くなりより複雑になります。それがメインフレームとオープンの違いであり、そこで求められているのはエンジニアリング力です」

 オープンソースの世界でも、エンジニア力により、こうした不安定要素を極力少なくするというのが富士通の基本的な考え方である。

 その富士通がLinuxへの取り組みを開始したのは、1990年代後半。PCサーバ(現在のブランドは「PRIMERGY」)でのLinuxのサポートを日本でいち早く開始。2000年1月にはOSSを含むグローバルなシステムサポート体制として「Fujitsu Linux Center」を設立している。その後、2000年9月にはソフトウェア事業本部にLinux統括部を作った(現在はサーバシステム事業本部Linuxソフトウェア開発統括部に移管)。

 こうした取り組みを踏まえて、2002年10月にLinux事業戦略を発表。さらに2005年11月にOSS技術支援センターを設立、「MySQL」や「PostgreSQL」などのデータベース管理システム、「Tomcat」「JBoss」「PHP」などのアプリケーションサーバまで含めたサポート体制をグループ全体で作っている。

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