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トライアルが始まったばかりの日本市場も大規模導入は時間の問題--グーグルが目指すエンタープライズ検索の姿

聞き手:山下竜大(編集部)
構成:富永康信(ロビンソン)

2006-09-20 12:02

 本業の検索技術を武器に、2005年4月に日本市場へ「Google検索アプライアンス」を投入し、そして2006年4月には「Google OneBox for Enterprise」の追加に加え「Google Mini」の日本での販売開始と、矢継ぎ早にアプライアンス製品のラインナップを増やしているグーグル。ZDNet Japan主催のエンタープライズサーチカンファレンスにおいて、前回(2006年5月22日)に引き続き第2弾にも登場した同社では、今回の講演者としてエンタープライズ部門の大須賀利一氏が登壇。コンシューマでの検索体験を企業向け検索にも持ち込むこと、およびデスクトップ、インターネット、コーポレートを統合的に検索する基盤の構築が有効と語った。講演を終えたばかりの大須賀氏に、日本市場での戦略について話を聞いた。

--まず、エンタープライズ検索に対してどのように取り組んでいるかお聞かせください。

 グーグルでは、「世界中の情報に世界中の人々がアクセスでき、それを有益なものとなるような仕組みを提供する」ことをミッションとしています。ここで申し上げた「世界中の情報」とは、企業が所有するコンテンツやイントラネット内にある情報も含まれます。

 当然ながら、グーグル検索のサーチロボットを企業の内部に入り込ませることは不可能です。そのため、検索の機能を養子に出すように、アプライアンスの形で提供する方法を採用しました。そして、ユーザーが慣れ親しんだコンシューマの検索と同じ使い勝手になるよう、企業内やインターネットからも、シームレスにアクセスできる環境を提供することも重要だと考えました。

 エンタープライズ検索の価値を作ることで、企業に多くのメリットと利便性をもたらす基盤を作ること、それが私たちのメッセージなのです。

--それが他のベンダーとは異なるスタンスですね。他社の多くは、エンタープライズのシステムの中から必要とされた技術ですが、グーグルはコンシューマなユーザーインタフェースからのアプローチとなっています。

 その通りです。エンタープライズ検索のみならず、メールやカレンダーツールなども同様で、仕事用とプライベート用に分ける必要はないと思っているのです。それが我々の発想の基本にあります。

 これまでは、ネットワークインフラが未発達などの理由から、サービスも満足に提供できなかったことが、インフラが整った現在、特にテクノロジーから見ると「ON」と「OFF」の垣根がますます低くなっているといえます。

 しかし、情報システム側の都合とユーザー側の希望には、まだギャップが存在するのです。サーバやシステム内も検索対象にしたいのであれば、モジュールを開発するなり技術的に対処もできますが、そこまで踏みこんででもやろうという意識までは成長していない。それゆえに、今はエンタープライズ検索市場を盛り上げていく時期だと思っています。

グーグルの大須賀氏 グーグル エンタープライズ セールス マネージャー、大須賀利一氏
米国のフロリダ州立大学で国際ビジネス学を専攻。現在、日本におけるグーグルの企業向け検索製品を中心としたエンタープライズ事業をリードする。グーグル入社以前は、サン・マイクロシステムズにてエントリレベルサーバ群の製品担当として、x86サーバの拡販や、当時市場に馴染みのないサーバアプライアンス製品の立ち上げを務め、アプライアンスという新しいカテゴリ製品の市場認知を高め、ビジネスを成功に導いた。

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