同じような例のひとつとして、新型コロナウイルス感染症が挙げられます。多くの人々が厚生労働省や世界保健機関などの信頼性の高いタイムリーな情報を入手できるよう、新型コロナウイルス感染症のすべての呼び方を検索において識別する必要がありました。1 年後、ワクチンの呼び方でも同様の課題に直面しましたが、今回は新しく Multitask Unified Model (MUM) という技術を活用することができました。
 
ワクチン情報に関する検索を理解する
アストラゼネカ、モデルナ、ファイザー、コロナバック、スプートニクを含め広く配布されているすべてのワクチンは、世界中でさまざまな呼び方をされています。分析によると、その数は 800 を超えています。ワクチンに関する情報の検索では、新型ウイルスワクチン、mrnaワクチン、AZD1222 など、多くの異なる検索ワードが使用されています。

これらすべての名前を正しく識別する能力は、ワクチンに関して最新の信頼性の高い情報を提供するために重要です。しかし、世界中の人々が用いる異なるワクチンの呼び方を特定することは、非常に時間のかかる作業であり、数百時間が必要でした。
 
そこで、検索の新しい技術 MUM を活用したところ、50 を超える言語で 800 を超えるワクチン名のバリエーションを数秒で特定することができました。この MUM が特定した結果を検証した後、Google 検索に適用することで、新型コロナワクチンに関する信頼性の高い世界中の情報を探すことが可能になりました。

検索で、新型コロナワクチンに関して信頼性の高い情報を表示

言語間で知識を伝達する
MUM が数週間かかる仕事をわずか数秒でこなせたのは、知識移転スキルのおかげです。MUM はトレーニングを受けた 75 以上の言語から学習して知識を伝達することができます。たとえば、本を読むことを想像してみてください。あなたがマルチリンガルであれば、どれほど流暢に話せるかにもよりますが、他の言語でその本の要点を説明することができます。これは、あなたが言語や翻訳に頼ることなく、本の内容を理解できているためです。MUM は、同じように言語間で知識を伝達することができます。
 
また、MUM は異なる言語ごとに新たな能力やスキルを習得する必要がありません。学習内容を異なる言語間で伝達することにより、使用するトレーニングデータが少ない場合でも、検索精度の改善を迅速に広く適用できます。これは、MUM のサンプル効率が良いおかげでもあります。MUM は、以前のモデルよりもはるかに少ないデータ入力で同じタスクをこなせます。新型コロナワクチンのケースでは、公式のワクチン名のほんのわずかなサンプルで言語間のバリエーションを識別することができました。
 
MUM で Google 検索を改善
この度の MUM の初めての適用は、世界中のユーザーに重要な情報をタイムリーに提供するのに役立ちました。私たちは、今後も MUM の活用を通じて検索をより便利にしていくことを楽しみにしています。初期のテスト段階では、MUM は既存システムの改善だけでなく、情報の検索および探索における新たな手法の開発にも役立つことが示されています。
  

6 月 25 日にChrome におけるサードパーティ Cookie のサポートを段階的に廃止する計画のスケジュールを含む、「プライバシーサンドボックス」の最新情報を公開しました。取り組みを進めていく中で、この計画を正しく実施するためには、デジタル広告のエコシステム全体でさらに時間が必要なことがわかってきました。

「プライバシーサンドボックス」は、利用者のプライバシーに配慮しつつ、誰もがアクセスできる自由で開かれたウェブ環境を維持できるよう、デジタルビジネスを構築するツールを提供する技術の開発を目指すものです。これを実現するには、エコシステムに携わるコミュニティが一丸となり、ウェブのプライバシーを根本的に強化する開かれた基準をもち、データがどのように利用されるかについての透明性を高め、管理権限をユーザーが持つ必要があると考えています。

そのためには、適切な解決策に関する開かれた議論、規制当局との継続的な連携、パブリッシャーや広告業界がサービスを移行するために十分な時間を確保することが必要です。これは自由に利用できるコンテンツを提供する多くのパブリッシャーのビジネスモデルを危険にさらさないために大切なことです。また、プライバシー保護の技術を開発することで、業界として Cookie が他のトラッキング手法に置き換えられないようにし、フィンガープリンティングなどの隠密性の高い技術の台頭を阻止することができると考えています。

Google は今後もウェブ コミュニティと協力して、広告測定、関連性の高い広告とコンテンツの配信、不正検出など、主要な分野でより独自のアプローチを開発する予定です。現在、Chrome などでは 30 を超える提案を提供しており、そのうち 4 つの提案がオリジン トライアルとして利用可能です。特に Chrome では、開発者コミュニティがそれらの採用を開始するために、2022 年後半までに主要な技術を展開することを目指しています。その後、英国の Competition and Markets Authority (CMA) との調整に従い、Google が発表した方針に即して、Chrome は 2023 年半ばから 2023 年後半までの 3 か月間でサードパーティ Cookie を段階的に廃止します。

各提案は、広範な議論とテスト期間を含む、厳格かつ複数段階に渡る公開プロセスを経て進みます。これは、他のオープン API やウェブ技術の開発と変わりありません。

Google Workspace でプロジェクトや好きなことを実現する

 たとえば家族や友達との集まりを計画したり、PTA 活動の次のステップを決定するといった目的があるときなど、すべてのユーザーが Google Workspace を利用できると、互いに連絡が取りやすくなり生産性が向上がします。

Google Chat では安全なコラボレーション スペースを作成して、共有したいユーザー全員に最新の情報を伝えたり、皆でアイデアを安全に共有したりできます。また、最近の旅行で撮った動画と写真や家庭の年間予算を管理する Google スプレッドシートまで、必要な情報を Google Chat から確認できます。Gmail で作成したグループ全体に向けたメッセージを作成する際や、共有カレンダーで会議をスケジュールし招待状を作成する際などには、スマート候補を使用すると、提案されたファイルを素早く取り込んだり、名前のリンクを付けて適切なユーザーをすばやく追加したりすることができます。また、スマート キャンバスを活用すると、作業をより円滑に進められます。Google ドキュメントでチェックリストを作成しグループメンバーに役割や次のステップをすばやく割り当てることができるほか、プロジェクトについて急に話し合いが必要になった場合、共同作業中の Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドを、ワンクリックで Google Meet 会議に直接共有できます。

さらに、Google Workspace はユーザー情報やデータの保護に必要な対策を講じているため、安心してお使いいただけます。

スペースを利用してタスクを管理

また、 Google Chat を有効にすることで、Google Workspace の統合されたサービスを利用できるようになります。Google Chat のチャットルームは、他のユーザーとつながり、コラボレーションする中心の場所として使用できます。チャットルームはこの夏に「スペース」として生まれ変わる予定です。スペースでは、重要事項を把握できるようデザインされています。スペースにはインラインのトピック スレッド、プレゼンス インジケーター、カスタム ステータス、リアクション、折りたたみ可能なビューなどの新機能が搭載されます。ファイルやタスクにもシームレスに統合され、スペースは Google Workspace でコラボレーションを効率化する新しい「ホーム」となります。詳しくは、スペースでコラボレーションを促進する Google のビジョンをご覧ください

Google Workspace Individual のご紹介

 Google Workspace Individual は Google Workspace の新しいサブスクリプション サービスで、小規模の個人事業主が仕事を効率化し、優れたサービスを顧客に提供できるよう支援します。 ユーザーは、スマート予約サービス、高機能なビデオ会議、カスタマイズされたメール マーケティングなどのプレミアム機能がご利用いただけます。その他の機能も今後追加される予定です。プライベートな予定も、仕事上の打ち合わせやタスクもすべて簡単に既存の Google アカウントで管理できます。



Google Workspace Individual は、予定の調整や顧客へのメール送付などの日々の作業にかける時間を削減し、顧客との会議など大切な仕事に集中できることを第一に考えて作られました。Google Workspace Individual は、日本のほか、米国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ブラジルの 6 か国で間もなくご利用いただけるようになります。メールアドレスを登録していただいた方には、Google Workspace Individual の最新情報をお送りします



Mind the Gap

Mind the Gap プログラムは、女子中高生のみなさんを主な対象に、 コンピュータサイエンスを学ぶことで将来どのような可能性が生まれるのか、コンピュータサイエンスとはどのようなものなのかを楽しく知る機会を提供する取り組みです。Google の製品開発を手がける女性エンジニアによる講演や質問コーナーで、技術分野の仕事の魅力をお伝えするオンラインプログラムです。

これまでは Google の東京オフィスで開催していましたが、2020 年より全国の学校の皆様にオンラインで行っています。2021 年度のプログラムの申し込みの受け付けを開始しました。公式サイトよりプログラム概要をご確認の上、学校単位でお申し込みください。

8 月 2日 と 12 日には、一般社団法人 CoderDojo Japan および株式会社スイッチエデュケーションが主催するプログラムの一環として、全国の小学校 5・6 年生および中学校の女子生徒を対象に Mind the Gap を実施します。参加者から 100 名様にプログラミング スターターキットをプレゼントします。詳細はこちらをご確認下さい。

STEAM Career Magazine vol.1 よりMind the Gap のご紹介



また、Google では、すべての子どもたちが学校内外でプログラミングやコンピュータサイエンスを楽しめるように、様々な教育機関や非営利団体などと連携をしながら、様々な学びの機会を提供しています。

exploreCSR(Computer Science Research)

大学がコンピュータサイエンスの研究の楽しさをより広く学生に伝える活動を支援するため、Google では exploreCSR というプログラムを行っています。2020 年度には日本を含む全世界の 50 の大学での取り組みを支援し、日本では東京大学でコンピューターサイエンスに興味のある女子学生向けのイベントを実施する TeaTime Tech Lab が参加しました。今年度は 7 月 7 日まで募集しています。応募詳細は公式サイト(英語)をご確認ください。

非営利団体の活動を支援

女子中高生がアプリ開発とビジネスモデルの構築を通して社会課題の解決に挑戦するコンテスト「Technovation Girls」の日本での開催を支援しています。日本から参加するチームに対して、20 人以上の社員が、メンターとしてアプリの開発や、ビジネスモデルの構築をボランティア活動の一貫として支援しました。また、 2020 年度の夏休みには、NPO 法人キッズドアの無料学習会に参加している女子中高生を対象に、 Google のエンジニアがオンラインでコンピュータサイエンスの基礎を教えるセッションも行いました。

Google では、今後もこのような様々な活動や、キッズ AI プログラミングコンテストを通して、すべての子どもたちがワクワクしながらコンピュータサイエンスを学校内外で学ぶことができるように、支援を続けてまいります。


Posted by コンピュータサイエンス教育プログラムマネージャ 鵜飼佑

 
Google Pixel で夏を楽しむ
 
Pixel ユーザーのみなさまにご愛用頂いている夜景モードに新しい機能が登場。同じ露出設定を使用して、夜空の星の動きを動画で記録できるようになりました。夜景モードで撮影すると、写真と動画の両方がカメラロールに保存されるようになります。より多くの星を動画に収めるには、撮影時間を長めにしてみてください。この機能は Pixel 4 以降の Pixel 端末でご利用いただけます。詳細については、g.co/pixel/astrophotography をご確認ください。
 

世界の多くの地域でプライド イベントが行われる 6 月にあわせ、LGBT プライドをテーマにした壁紙と着信音を Pixel に追加しました。3 つの大胆で楽しい壁紙のデザインは、アーティストの Ashton Attzs 氏が Pixel のために特別に制作したものです。LGBTQ+ アーティストや YouTube クリエイターが手掛けた、プライドをテーマにした新しい着信音や通知音をぜひチェックしてみてください。
 

もっとプライベートで安全に
 
先月、Google I/O で公開した Google フォトの「ロックされたフォルダ」が、Pixel でご利用いただけるようになりました。大切な人へのサプライズプレゼントや領収書のスクリーンショットといったプライベートな写真や動画の保存先として、ロックされたフォルダをご活用いただけます。カメラから直接、ロックされたフォルダに簡単に保存することもできます。ロックされたフォルダに保存した写真や動画は端末に保存されますが、共有アルバム、思い出、デバイス上の他のアプリには表示されません。フォルダのコンテンツにアクセスするには、デバイスのパスコードまたは指紋が必要となります。


Pixel は歩行中の安全な利用もサポートします。Digital Wellbeing の設定にある新しい前方注意機能を使用すると、ユーザーが歩いていることを検出し、定期的に画面から目を離して周囲に注意するよう通知します。
 
Google Pixel がもっと賢く
 
電話が鳴っていても、デバイスに手が届かないときは、Google アシスタントを使用してハンズフリーで電話に出たり、着信を拒否したりできます。「OK Google, 着信に応答」または「OK Google, 着信を拒否して」と話しかけるだけです。

さらに、スマートな Gboard により、大事な情報を切り取って貼り付けるのが簡単になりました。電話番号、メールアドレス、URL を含むテキストをコピーすると、クリップボードに主なテキストのスニペットが表示されます。これにより、例えばメッセージに貼り付けて連絡先を素早く共有したり、Google マップに貼り付けていち早く道順を表示したりできます。詳細については g.co/gboard/clipboard をご覧ください。
 

私たちは Pixel をもっと便利にお使いいただけるよう、音声機能の対応言語の拡大に向けて常に取り組んでいます。この度、迷惑電話の防止に役立つ通話スクリーニングという機能が日本でもお使いいただけるようになりました。本機能は、例えば知らない電話番号からの着信があったとき、電話に出る前に相手の名前や用件を確認することで応答するかどうかを選べます。
 
Pixel の新機能と拡張機能の詳細は、Pixel Phone ヘルプからご覧いただけます。ぜひお試しください。