幾つかのマクロ経済指標では日本経済が回復に向かっているという見通しも散見されるものの、中堅・中小企業を取り巻く状況は依然として厳しい状況だ。「厳しい状況においてこそ、IT活用の活用によって業績を改善しよう」といった取り組みが進めば良いのだが、実際にはIT投資を抑制する傾向はいまだに強い。だが、中堅・中小企業がIT活用に積極的でない要因は必ずしも経済環境だけではない。
以下のグラフは「2010年8月~10月と比べて、2010年11月以降はIT投資額を減らす」と答えた年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、その理由を尋ねた結果を年商別に集計したものである。
「IT投資の必要性は感じているが、それだけの資金余力がない」に並んで、
「現状を維持する以外、特にITに対して投資をする必要はない」という回答も多くを占めていることがわかる。つまり、「業績が厳しいからIT投資ができない」というわけではなく、「ITで何かやりたいことがあるわけではないので投資をしない」と考えるユーザ企業も少なくないというのが実態だ。
実際、本記事を読まれている方々の中にも「ITはお金ばかりがかかって、業績改善やコスト削減には役に立たない」と考えている方もいるかも知れない。その要因の多くは「一般に言われているITトレンドと中堅・中小が求める真のニーズとのギャップ」にある。本稿ではそうしたギャップとして三つの代表例を挙げ、実際の調査データも交えながら、「トレンドに流されない、差をつけるIT活用」のポイントについて解説していく。
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