

アップルはiPhone向けOSの最新バージョンである「iOS 18.4」をリリースした。
iPhone 16シリーズ、さらにはiPhone 15 Proシリーズにおいて、アップルのAI機能「Apple Intelligence」の日本語版が利用可能だ。
Apple Intelligence
昨今話題のChatGPT「ジブリ風イラスト」のような派手さは全くないが、実際に使ってみると、地味ながらも使い勝手が大幅に向上しているのが実感できる。
筆者は開発者向けバージョンから使っているが、実際に「Apple Intelligenceが便利だ」と感じたのが写真アプリだ。
仕事柄、記者会見など取材現場だけでなく、家族での旅行、さらには海外出張時の風景や食事など、様々な場所でiPhoneを使って撮影することが多い。実際、写真アプリには35万枚の画像が保存されている。
これまでは、過去に取材で撮影した写真を探し出すときは、まずはスケジュールアプリで該当する取材内容を検索し、日時を特定。写真アプリでその日時までさかのぼって、大量の画像から目的の写真を見つけるということをしていた。また、地図からも画像を探せるため、取材した場所を思い出して、写真アプリにある地図から見つけるなんて事をしていた。
Apple Intelligenceになったことで、自然言語の文を打ち込んでの検索が可能となった。例えば「ソチのスケートリンク」を入力すれば、2014年2月にソチ冬季五輪でスケートを見に行った際に撮影した写真を一発で見つけることができてしまうのだ。
Apple Intelligenceは「オンデバイスAI」として、デバイスのなかだけでAIを処理するというのが基本だ。もちろん、デバイスで処理できない要求に対しては、アップルが作ってクラウドにつなぎ、AIが処理をするという仕組みとなっている。
オンデバイスAIということで、写真を検索しても、瞬時に処理が行われ、パッと目的の写真が出てくる。この快適さはGoogle Photoでは実感できないものだ。
試しに「自転車に乗る●●」と●●のところには息子の名前を入れて検索してみた。
写真を自然言語で探せるようになった
すると2歳のころ、ママチャリの後ろで指をくわえながら乗っている息子、4歳の頃、公園でストライダーを懸命に操る息子、6歳になって自転車を買ってもらってなんとか練習して乗れるようになった息子など、一気に116枚が表示された。もともと、人物自体は認識しているので、その状況を組み合わせることで、目的の写真をかなり見つけやすくなったのだ。
ちなみに筆者はiPhone 16 Pro MaxにはApple Intelligenceの英語しか使えなかったころの開発者版から入れつつ、バージョンアップを繰り返して使ってきた。また、3月31日はiPhone 16 Proに正式に公開となったiOS 18.4を入れて、2台で試している。
やはり、長年、使っている方が、写真の分類や検索などがかなり賢く、正確になっている印象だ。このあたりは内部での処理に時間をかけた方が使い勝手が上がっていくのだろう。
もうひとつ、実際に使っていて、びっくりしたのがメールだ。
メールでは、Apple Intelligenceが下書きしてくれたり、ChatGPTにつないで丁寧な文体で書いてくれるが、これは他のAIサービスでもやってくれる。
朝、使っていて驚いたのが、メールアプリを開くと「優先」として表示されているメールとして、午後に訪問するオフィスビルに入るためのQRコードが記載されたメールが表示されていたのだ。
いつも、オフィスビルを訪れるたび、メールアプリを開いて、ビル名や社名を入れて、検索して探し出すということをしていただけに、まさか「優先」として教えてくれるとは思わなかった。
いまのところ、Apple Intelligenceでアプリ間で情報をやりとりするといった動きはしていない。将来的にはスケジュールに何が登録されているかを判断した上で、必要なQRコード付きのメールを抜き出して教えてくれるようになるだろう。
ただ、そこまでいかなくても、いまのApple Intelligenceでも、メールの中身を判断して、優先として表示したのであれば、大したものだ。
ただ、一方で「なんで、これが優先として表示されるの?」と首をかしげたくなるものを散見される。このあたりはまだまだ発展途上であり、成長を温かく見守る必要がありそうだ。
これまでのAIはクラウドベースで調べ物をしたり、プログラミングをさせたり、絵を描かせると、かなり的確なのが画期的であった。
Apple Intelligenceは、自分がこれまでiPhoneに蓄積してきた自分のデータや画像をAIによって、整理整頓し、欲しいときにすぐに抜き出してくれるという強みがある。
Apple Intelligenceはまだまだ始まったばかりであり、これからさらに進化をしていくのは間違いない。
写真やメール、メッセージ、スケジュール、アドレス帳など、貯まりに貯まった個人のデータをどのようにApple Intelligenceが活用してくれるのか。今後、iOSがどのようにバージョンアップしていくのか、楽しみにしておきたい。
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