iPhoneに「乗り物酔い防止機能」が実装されたと話題になっている。スマートフォンで乗り物酔いを防止するとは一体どういうことなのか、実際に試してみた。
機能名は「車両モーションキュー」で、最新の「iOS 18」で利用できる。「iPhone 16」シリーズ限定というわけではなく、筆者が使っているひと世代前の「iPhone 15 Pro Max」でも利用できた。
ちなみに、筆者は幼い頃から車酔いに悩まされてきた。クルマの助手席や後部座席でスマートフォンを触ろうものならほぼ間違いなく酔う。また、路線バスでも気分が悪くなる。
車両モーションキューは、「設定」→「アクセシビリティ」→「動作」→「車両モーションキューを表示」から呼び出せる。設定の深いところにあるが、設定の検索窓に「車両」と入力すれば一発だ。また、コントロールセンターから即座にオン・オフを切り替えられる。
さっそく有効にしてみた。画面の説明によれば、乗っている車両が動き出すと、画面上に「点」が表示される。そして、その点が車両の動きに合わせて動き、乗り物酔いを低減するという。車両が動いていなければ点は消える。
実際に試してみた。ちょうど海外出張があり、空港からホテルまで40分間のバス移動があったのだ。
いざ試してみると、この機能を有効にした途端に「酔う気がしない」のだ。バスが右に曲がると、その加速度を受けて点は右から左へ流れる。信号で止まると点は下から上へ、動き出すと上から下へ…といった具合だ。車両の動きがiPhoneの画面上で手に取るようにわかるのだ。
筆者は普段、バスに乗る時はなるべく外の景色を見て、酔わないように心がけている。しかし今回は「外の景色を見るより、iPhoneの画面を見ていたほうが酔わない」とさえ感じた。
乗り物酔いは一般的に、耳の三半規管で感じる加速・減速と、視覚情報の不一致によって生じるとされる。そのため、車両に乗っているときはスマートフォンなどを触らず、前方の景色を見る、あるいは車両が曲がっている先の方向の景色を見るのが良いとされる。同機能では、iPhoneの画面上に加速度がドットとして視覚情報で表示されるので、脳の混乱を減らせるのかもしれない。
もちろん効果には個人差があると思うが、筆者は同機能を常用しようと思う。なお、ネックは動画などを再生している際にもドットが表示される点だ。ウェブニュースを読む程度なら気にならないが、没入したいコンテンツでは、トレードオフを考える必要がありそうだ。
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