デジタル大臣を務める平将明氏は10月4日の会見で、現行の健康保険証について「悪意ある者にとってこれほど付け入る隙のある制度はない」と述べ、廃止に理解を求めた。
政府は12月2日に保険証の新規発行を停止し、マイナ保険証に原則一本化する。マイナンバーカードを取得していない、またはマイナ保険証の利用を申請していない人には、保険証の有効期限が切れる前に紙の「資格確認書」が自動送付され、引き続き保健医療を受けられる。
この資格確認書について「保険証を残すことと変わらないのではないか。国民の手間や医療機関への周知などの手間を考えたら、現行の保険証とマイナ保険証を併用するのがコスト的にも一番ではないか」との意見もある。
こうした指摘について平氏は「かかる投資と得られる便益のバランスが重要。(マイナ保険証への原則一本化によって)データ化することによって、母数の大きい医療の効率化が図られてくる」と説明。
続けて「現行の保険証が全く問題ないというのは我々と違う認識」とも述べ、次のように説明した。
「顔写真もない、ICチップもない。不正をしようとする悪い考えを持った人たちから見ると、これほど付け入る隙のある制度はない。こういった穴をしっかり埋めていかなければならない」
平氏はデジタル大臣への就任会見でも「母数の大きい保険医療のデジタル化で得られるメリットは桁が違う」と述べ、マイナ保険証に原則一本化する意義を強調していた。
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