LIFULLは5月24日、賃貸、不動産向けのスマートフォンアプリ「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」に、カメラで映すだけで空き室や売り物件を探せる新機能「かざして検索」の提供を開始した。
かざして検索は、ARを活用し、スマートフォンのカメラを街並みや建物にかざすと、空き物件などの情報が表示される新サービス。物件情報をタップすると、間取りや家賃などの詳細を確認でき、「お気に入り」登録もできる。
インターネットを使った物件探しは、PCやスマートフォンで住みたい地域を選び、家賃、間取りなどから絞り込んでいく形が一般的だが、かざして検索では、街中にいる状態で雰囲気やスーパー、コンビニの場所、駅までの距離などを体感しながら、部屋探しができる。
LIFULL HOME'S事業本部新UX開発部デバイスソリューションユニット企画グループの大嶋祐子氏は「街の空気などを感じて、わくわくしながら部屋探しをしてほしかった」とかざして検索における開発のきっかけを話す。引っ越し先の候補に上がっていない街でも、偶然訪れた時に気に入ったり、思わぬ場所で好みの物件が見つかったりと、物件探しをしていない人でも、手軽に使えることがポイントだ。
アプリを起動し、建物にスマートフォンのカメラを向けると、空き室や売り物件が表示される。LIFULL HOME'Sの掲載情報と連動し、居住用賃貸物件、新築分譲マンション、中古マンションの検索が可能。対象物件は約100万件で、全国をカバーする。
スマートフォンの位置情報を取得して、近くの空き室や売り物件を表示できる仕組み。カメラを向けた時、建物にかざしているのか、まったく違うものなのかを判定させるため、AIに建物の外観画像を学習させたという。
LIFULL HOME'S事業本部新UX開発部デバイスソリューションユニットの塙拓朗氏は「カメラをかざすときは、下から見上げた状態になるため、広告などに使われている、建物全体の外観画像だけではなく、一部分のみや角度が違うものなどの画像データも学習させることで認識率を上げている」と話す。
なかでも、戸建てとアパートの判定は難しく「画像データの種類を増やすことで区別がつくようにしている。ただ、バリエーションを増やしすぎると、キーボードの画像を見て窓と認識してしまうなどの誤りが出てしまい、調整が必要になる。学習させるデータを精査しながら、今後さらに精度を上げていく」(塙氏)と言う。
同じ建物内に複数の空き室があれば、同時に表示することが可能。奥行きに制限はあるが、カメラ内に収まる2つ程度の建物であれば、同時に表示できるとしている。
大嶋氏は「就職や結婚などライフイベントと連動して家さがしをする人が多いが『ちょっと引っ越ししたい』と思っている段階の人にも気軽に使ってもらい、好みの物件を探して欲しい。これからも今までにない機能を取り入れて、新しいサービスをスピード感をもって提供していきたい」と今後について話した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力