ヤマハは9月1日、自動演奏機能付きのアコースティックピアノ「Disklavier(ディスクラビア)」の新シリーズとして、音楽再生機能を充実した「Disklavier ENSPIRE(ディスクラビア エンスパイア)」を発表した。アップライトピアノ9機種(税別価格:153~215万円)、グランドピアノ7機種(同:281~480万円)をそろえる。発売は12月20日。
全機種にオーディオ出力端子を備え、別売のアンプとスピーカを接続すれば、ピアノだけでなく、ボーカルやそのほかの楽器音源も再生できるデータを初搭載。従来、ピアノ演奏に加えアンサンブル伴奏(XG音源)だけだった再生音に加え、ピアノ演奏にオーディオ音源を加えることで、よりリアルな音を再生できる。
「ヤマハでは、1982年に自動演奏機能のついたピアノを発売。以来、演奏のほか、聴いても楽しめる『ハイブリッドピアノ』のラインアップを取りそろえてきた。Disklavier ENSPIREは、今まで以上にエンターテインメント機能を充実し、リスニングも楽しめるようコンテンツをより充実させたモデル。オーディオ製品と組み合わせることで、臨場感のある音を再生し、新たなピアノの可能性を提案していけると思っている」と、ヤマハミュージックジャパン楽器営業本部マーケティング部部長の山田敦祥氏は、商品企画の背景を話す。
自動演奏ができるピアノ曲のデータは計10ジャンル全500曲を用意。前モデルの5ジャンル440曲から、ジャズ、サウンドトラック、カントリー、ロック、R&Bなどのジャンルを追加した。楽曲は「ヤマハミュージックデータショップ」から有料で購入することも可能だ。
グランドピアノのプロモデル「ENSPIRE PRO」には、センサでピアノのハンマーの動きを読み取り、より精度の高い鍵盤の動きを反映できる「ハンマーセンサーフィードバック」も搭載。弱いタッチでの連打の再生精度を向上し、演奏を忠実に再現できる。
自動演奏機能を持つユニット部は、別体であったり、大型であったり、ピアノと組み合わせることで目立ってしまうことがあったが、Disklavier ENSPIREでは鍵盤の左下にスリムなユニットを配置したスマートな仕上がり。各種端子も裏側に配置するなど、多機能ながらピアノ本来のデザインを追求する。
Disklavier ENSPIREは、ヤマハのネットワーク機能を搭載した「MusicCast(ミュージックキャスト)」対応のオーディオと組み合わせることで、新たな使い方も提案する。
MusicCastは、外部入力機器を接続して音声データを配信できるというもの。対応機にDisklavier ENSPIREをつなげれば、リビングにあるピアノの自動演奏の音をベッドルームで聴いたり、ピアノレッスンの様子をキッチンから確認したりする使い方が可能。楽器とオーディオという、ヤマハならではの強みの部分を組み合わせることで、今までにはない音楽体験を提供する。
本体にはLAN端子を備えているほか、USB無線LANアダプタ「UD-WL01」も標準装備し、ネットワーク環境も整備。専用アプリ「ENSPIRE Controller」をスマートフォンやタブレットにインストールすれば、アプリから楽曲を選んだり、プレイリストの再生などが可能だ。
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