インディーレーベルの創設者で、かつてAppleで「Apple Music」を担当していたSean Glass氏は、大物アーティストの作品を独占配信するAppleの取り組みを擁護し、競合のSpotifyやTIDALを批判した。
新作アルバムや関連コンテンツの独占配信は、現在の音楽ストリーミングサービス市場の競争において、重要な武器だ。Appleは先週、Frank Oceanの新作アルバムをApple Music限定でリリースした。一方、TIDALの主なセールスポイントは、同サービスを共同所有するJay-ZやBeyonceなど、ほかのサービスでは提供されていないアーティストの楽曲を聴けることだ。
独占配信に不満を抱いているのは音楽にお金を払う意思のないリスナーだけだと、Glass氏は米国時間8月23日のブログ記事で示唆した。しかし、そうした主張は、ほかの有料サービスを利用しているという理由だけで、好きなアーティストの楽曲を聴けない音楽ファンからすると不公平だ。
Glass氏は「Win Music」の共同創設者で、最近までAppleの従業員だった。同氏は、「これについては何の利害関係もない。しかし、この分野のリーダーで、影響力のある唯一の企業であるAppleを全面的に支持する」と書いている。Glass氏はSpotifyについて、オリジナル音楽コンテンツに全く力を入れていないと非難した。アーティストとのセッションの録音や、初のオリジナルコンテンツであるMetallicaのドキュメンタリー制作計画を除けば、SpotifyがAppleと同じ規模で新しい音楽を支援してこなかったのは事実だ。
同氏はまた、Spotifyが現在、アーティストに支払うロイヤリティの減額を検討しているという主張を繰り返した。実際に、Spotifyはレコードレーベルに支払うロイヤリティの減額を交渉中だと報じられている。
批判の矛先はTIDALにも向けられた。Glass氏は同サービスについて、「縮小戦略を採用しており(中略)付加価値は全くない」と評した。
Appleの独占配信作品はアルバムだけに留まらないと、Glass氏は指摘する。「詳しくは言えないが、Appleの関与がなければ生まれなかったであろう音楽ビデオが大量にあった。(中略)Appleは創作に密接に関与している。それには、実際にビデオ作品を監督することも含まれる」(同氏)
音楽ストリーミングの最大の問題の1つは、メジャーレーベルが「プレイリストを所有」していることだともGlass氏は主張する。Glass氏はSpotifyについて、「メジャーレーベルに支配されたプレイリスト」がリスナー自身のライブラリへの「門番」のように働き、独立系レーベルを「無力化」していると非難した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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