経済産業省が進める取り組み「IoT推進ラボ」は7月31日、IoTを活用した優れたプロジェクトを選定・表彰する「第2回 IoT Lab Selection」を開催し、グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞を決定した。
IoT推進ラボは、経済産業省の「IoT推進コンソーシアム」下に設置され、IoT・AI・ビッグデータなどを活用した先進性のあるプロジェクトを発掘・選定し、企業連携、資金、規制改革などを支援する組織。また、先進技術の社会実装に向けた規制改革などの環境整備を図ることで、国内での先進技術の発展をサポートする。
第1回では、最終選考に残った16件の中から、指紋の高速なマッチング技術を持つリキッドがグランプリを獲得。ホテルにおける訪日旅行客の個人認証のスムーズ化を実現すべく、旅館業法における規制のグレーゾーンを解消。池袋のプリンスホテルにて、指紋認証による訪日客のおもてなしプロジェクトを開始しているという。
第2回では、IoTを活用した153件のプロジェクトの中から、一次審査、二次審査を経て、13件のプロジェクトを最終選考とした。すべてのプロジェクトを対象に、政府関係機関や金融機関、ベンチャーキャピタルなどの支援機関と連携し、資金援助やメンターの紹介、規制緩和、標準化の推進など官民による支援を実施する。
グランプリに選ばれたのはユニファの「保育園内見守り業務のデジタル化支援」。これは、IoTを活用することで少人数の保育士でも園児を安全に見守ることができるというもの。例えば、お便り帳や午睡チェック表、検温表といった手書き書類のデジタル化や、カメラ・ベッドセンサを活用した“お昼寝”の見守り業務などを支援する。質の高い保育と業務効率を両立させることで、保育士不足や待機児童問題の解消につなげられるとしている。
同社代表取締役社長の土岐泰之氏は、「保育業界ではデータを集めてくるのが一番大変で、ほとんどが手書き。子供がたくさんいる中だと手書きが楽」と、保育現場におけるデジタル化の現状を説明しつつ、「検温結果をタブレットに入力するというのは難しい話で、検温したら勝手にデータが飛んでいくといった、自動的にデータが集まるような仕組みが重要」と述べた。また、今後については「保育業界でIoTビジネスをしっかり作り上げ、介護、医療業界にグローバルで提供していきたい」とした。
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