「Project Bloks」は、プログラミングに取り組む際に必要な基礎的なコンピューティングスキルを子供たちに教えるための、触れて学ぶ新しいGoogleのプラットフォームだ。
ブロック(積み木)を使用して子供たちにコーディングを教えるというシンプルなコンセプトに基づいており、これまでにもプログラミング言語の概念を学ぶMITの「Scratch Blocks」などのプログラムで試行されている手法だ。子供たちがコンピュータの前に座ることが必要なScratchとは異なり、Bloksは実際にブロックを使用する。Googleはこれを「Pucks」や「Board」と呼んでいる。
Google以外にも、AmazonやAppleといった大手テクノロジ企業が、次世代のコンピュータプログラマーを育成する教育用プログラムを開発している。他のプログラムとBloksの大きな違いは、従来のコンピュータインターフェースをまったく使用せず、コーディングの世界に足を踏み入れる際のハードルがすぐに下がることだ。
処理と接続を司るのは、低価格のマイクロコンピュータ「Raspberry Pi Zero」をベースとする「Brain Board」だ。個々のPuckは、それぞれ異なる命令でプログラムすることができる。例えば、オン/オフ、左に移動、音楽再生などの命令だ。Puckを「Base Boards」に配置すると、Base Boardsが命令を読み取って、Brain Boardにフィードバックする。この一連の処理を自由に並べ替え、無限につなげて構成することができ、新しい遊びの体験が生み出される。
Project BloksのLeadであるJayme Goldstein氏は、「自分たちがどのようにして概念を学んだのかを考えた。われわれは、自分の手と玩具で学んでいた」と同技術の開発について米CNETに語った。本質的に触覚に強く訴える玩具を使用して、まだ読み書きを学んでない5歳ほどの子供たちに、確立されたコンピューティングの考え方を教えることが可能だと同氏は述べた。
Googleにとっては、Bloksは研究プロジェクトである。そのため、オープンソース化されており、玩具メーカーはこれを利用して自由に構築することができる。あらゆる素材や形で玩具を製造することができる。Googleは例として、作曲ツールや、スマートホームの制御に利用するIf~Then形式のセンサキットなどを挙げている。
Googleは玩具の開発や販売は行わないが、今後数カ月の間に、遊びや教育分野の専門家と協力し、Bloksの可能性をさらに広げる予定である。同プロジェクトのパートナーであるLEGOと共同でさまざまな体験が構築されており、2016年夏にはサンフランシスコのExploratoriumでも、子供たちが遊べる形でRaspberry Piが提供される予定である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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