Airbnb Japanとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は5月27日、日本でのホームシェアリングサービスの普及と拡大を目的としたマーケティング領域において、パートナーシップ契約を締結したと発表した。
同日の会見で登壇したAirbnb CPO兼共同創設者のジョー・ゲビア氏は、仕事以外でも、何かと理由をつけて来日するほどの日本好きだという。「我々にとってはコミュニティが重要。ローカルコミュニティを成長させ、日本にとって最も良い方法で地域社会に貢献したい」とパートナーシップの目的について述べた。また、ホームシェアリングのメリットとして、地方の活性化、空き家問題の解消に加え、”小さな企業家をたくさん作る”と、ユーザー自身の家をシェアすることによる副収入についても説明した。
Airbnbでは、グローバルキャンペーンとして「Live There」を展開している。ゲビア氏は「近代のツーリズムは壊れている。人々が同じ場所に行き、同じ写真を撮る。その国の表面的な部分しか見ておらず、文化の豊かさに気付かない」と指摘する。また、「世界の観光客は日本の田舎に関心がある。その地域の文化、工芸品、ライフスタイルなど、彼らにとってたくさんの宝が眠っている」と語り、ホスト側による通訳や、その土地の食事やスポット紹介など、地方ならではの役割についても期待を寄せた。
カルチュア・コンビニエンス・クラブ代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏は、「Airbnbの良さを理解している人が少ない。単なる貸し部屋のためのプラットフォームとしか思われていないが、おもてなしがベースにある」とAirbnbについて説明。「原点に返って、ホストがゲストをもてなしていく。日本流のホームシェアリングを啓発していきたい」と述べた。
また、民泊に関するレギュレーションの課題について、「僕らが貸しレコード店をはじめた時も違法だと言われた。当時は、レコードを貸すという法律がなかったが、その後、商業組合が設立されて、著作権者の皆さんと合法的な解決に至った。貸与権という法律もできた。Airbnbも既存の枠組みでは評価できないサービスであり、新しい法律ができることで、もっとクリアになることを僕らも望んでいる」とした。
増田氏によると、パートナーシップ締結による具体的な施策はこれから検討するとしている。まずはじめに、両者が共同制作した「日本流のホームシェアリング」を啓発するための特設サイトを同日に開設。さらに、5月27日より代官山T-SITE、5月31日よりSHIBUYA TSUTAYAにおいて、店舗全体を使ったAirbnbのプロモーションを実施する。
また、CCCが有するオンライン・オフラインメディアを活用したマーケティング活動、新規ホストの登録でTポイントを付与するキャンペーンなど、CCCのマーケティング力を活用する。中長期的なプランとして、「日本流のホームシェアリング」の普及に向けた新規コンテンツやサービスを開発し、地方経済の活性化も含め、多彩なライフスタイルを全国に広めるとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」