Apple Watchはフィットネスに関しては大半のスマートウォッチより優れているが、欠けている要素も少なからずある。Fitbitのように友達に挑戦できるソーシャルネットワーク機能はない。Jawboneのように傾向を学習できる予測ライフコーチング機能もない。バッテリ持続時間の長いフィットネストラッカーの多くは睡眠追跡機能を備えるが、それもない。Apple Watchの栄養および身体測定値は、内蔵の「Activity」アプリではなく、サードパーティーのソリューションを利用する。あと、将来的にiPhoneを機種変更したときにデータを失わないように、Apple Watchを「iCloud」にバックアップする手段だ。
最も重要なのは、文字盤ストアがまだないことだ。Apple Watchでは、最初から用意されている10数種類のカスタマイズ可能な文字盤しか使用できない。筆者はニューヨークジェッツの文字盤や、硬貨をウサギに変える奇妙な魔法のアニメーション文字盤を使いたい。ロックバンドThey Might Be Giantsの文字盤でもいい。Android WearやPebbleでは、Apple Watchにはないクールな文字盤が山ほど用意されており、好きなものを選ぶことができる。
2015年の大規模なソフトウェアアップデート(「watchOS 2」)が、期待されていた大幅な改善ではなかった点も指摘しておきたい。Apple Watchの主な問題には、読み込みが遅いアプリ、種類が限られている文字盤、機能的ではあるが持続時間の短いバッテリなどがあるが、どれもほとんど解決していない。大きな変化を期待するなら、「watchOS 3」と新しいハードウェアの登場まで待つしかないだろう。
では、Appleが新しいApple Watchをリリースするとしたら、どのような機能が搭載され、いつ発売されるのだろうか。新型Apple Watchは9月に「iPhone 7」とともに発表される可能性が高い。小型化される可能性もあるし、バッテリ持続時間が長くなる可能性もある。耐水性能の強化や、処理速度の改善も考えられる。セルラー接続を使うことで、iPhoneなしでも動作するようになるかもしれない。あるいは、友達との通話に使う前面「FaceTime」カメラなど、奇抜な機能が搭載される可能性もある。どうなるかまだ分からない。だが、少なくとも第1世代モデルよりパフォーマンスが強化されるはずだ。逆に、わずかなアップグレード、あるいはステップアップモデルに留まる可能性もある。
現時点では、腕時計に300ドルを出そうと考えている人は、成り行きを見守った方がいいかもしれない。現行モデルはその機能の範囲内で十分に動作する。しかし、絶対に手に入れるべきデバイスというほどではない。スマートウォッチという概念自体、本当に誰もが関心を持つべきものなのかどうか、筆者は分からなくなってしまった。使うのはいいが、充電はしたくない。もっと改善してほしいと思う。
スマートウォッチはいつか、スマートフォンの未来になるかもしれない。あるいは、スマートフォンと自宅の両方、または多数のコネクテッドデバイスをシームレスに拡張するものになるかもしれない。今はスマートフォンのアクセサリとして機能している。それがApple Watchの現在地だ。さまざまなものとつながった状態を維持してくれているが、筆者は今も必要以上にスマートフォンを使っている。
どれか1つのモデルを薦めてほしいと言われたら、今でもエントリーレベルのSportを選ぶだろう。あまり大金をつぎ込まないほうがいい。前もって警告しておくが、早ければ2016年9月にも新モデルが発表される可能性がある。Apple Watchは、個人的には、ないよりはあった方がいい。違う考えの人もいるだろう。今、どうしても試したいという人以外は、しばらく待った方がいい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス