中国のスマートフォン出荷台数がこの6年間で初めて減少した。成長し続けていた中国市場が成熟を迎え、飽和点に達したようだ。中国のスマートフォン市場は2015年第1四半期に、前年同期比で4%縮小し、出荷台数は9880万台だった。IDCのMobile Phone Trackerで明らかになった最新のデータによると、2014年末にかけて在庫が大量に増加したことを受け、前四半期比では8%減少したという。
IDCの中国法人を統括するKitty Fok氏は、中国でスマートフォンがますます飽和状態に達しつつあることを指摘し、次のように述べた。「中国は新興市場とみなされることがよくあるが、実際には、米国、英国、オーストラリア、日本といった他の成熟市場と同様に、中国で現在販売されている携帯電話の大半がスマートフォンである」
「これらの市場と同様に今後は、既存ユーザーとフィーチャーフォンのユーザーに新しいスマートフォンへのアップグレードを促すことが、中国市場におけるさらなる成長の鍵となるだろう」とFok氏は述べた。
Appleは、「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」の大画面への消費者の需要が高く、同四半期の出荷台数で首位に躍り出た。Xiaomi(小米科技)は、ローエンドからミッドレンジの市場セグメントで他社との激しい競争に見舞われ、第2位に転落した。Huawei(華為技術)はミッドレンジ市場での販売が好調で、第3位を維持した。
IDCはさらに、2014年に少なくとも1度は市場をリードしたサムスンとレノボの順位に変化が生じたことにも言及し、中国で消費者のブランド選択が変動しやすいことを指摘した。さらに中国市場は2015年、成長が横ばいになる可能性が高いとIDCは述べている。
IDCは、Huawei、レノボ、Xiaomiなどさらに多くのメーカーがミッドレンジからハイエンドの市場セグメントに力を入れるとともに、ベンダー直営店舗、オンライン直販、オンライン小売事業をさらに拡大しようとするだろうと予測した。また中国ベンダーらは、国内市場が引き続き減速する中、2015年には東南アジア市場とインドでの事業拡大を目指す可能性がある。
IDCのアジア太平洋地区クライアントデバイス担当シニア市場アナリストを務めるTay Xiaohan氏は、「他国で地元メーカーとの競争にうまく対処するには、中国ベンダーはチャネルリレーションシップと地域に合ったマーケティング戦略に力を入れる必要がある。それらの市場では、ユーザーがフィーチャーフォンから低価格のスマートフォンに移行しているため、市場成長の大部分を支えるのは、150米ドル未満の端末となる」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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