楽天が2月12日に発表した2014年12月期通期の連結業績は、売上収益が5985億6500万円(前年比15.4%増)、営業利益が1063億9700万円(同17.9%増)、純利益が706億1400万円(同64.6%増)で増収増益だった。主力事業の「楽天市場」が堅調に推移し、クレジットカード取扱高が3兆5000億円に達するなど金融事業も好調だった。
楽天市場事業では、スマートデバイス向けサービスの強化、ビッグデータを活用したパーソナライズマーケティング、大型セールイベント「楽天スーパーSALE」、ポイント還元が特長のサービス「楽天スーパーDEAL」などの取り組みが業績向上に寄与した。
楽天市場をはじめとしたECサービスの国内EC流通総額は、初めて2兆円を超えた。2011年に1兆円を超えてから3年での達成となる。楽天市場の1店舗あたりの流通総額は4810万円で、出店店舗数は4万1442店。
楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「用意周到にモバイル対応できたことが大きな要因」と説明する。楽天市場では、流通総額の44%がスマートフォンなどのモバイルによるものという。
また、ヤフーが「Yahoo!ショッピング」でEC新戦略としてストア出店料と売上手数料を無料化し、ストア数を増加させていることに触れ、「我々はその逆で、店舗のクオリティを上げるために出店時の審査を厳格化し、承認率を下げた」と話し、それが2兆円達成の一因になったとの見方を示した。
電子書籍事業の「楽天Kobo」は継続的に赤字が縮小している。グローバル市場で2014年10月に発売した開始防水電子書籍リーダー「Kobo Aura H2O」の販売が好調で、全体の在庫金額は前年比で60%減少した。現在はコンテンツ事業の粗利を改善させるとともに、自費出版事業を成長させている。登録ユーザー数は2014年12月時点で約2290万人という。
楽天は2015年8月をめどに、本社を東京都世田谷区玉川の「二子玉川ライズ・タワーオフィス」に移転する予定。三木谷氏は「創業の頃のスタートアップの雰囲気を、新しいオフィスで再現したい」とコメントしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力