Googleはその非常に野心的な取り組みにおいて、空高くへと目を向けることが多かった。空高く飛ぶWi-Fi気球や高画質な衛星画像撮影がその例だ。しかし、同社の最新プロジェクトは、人体の分子という、限りなく内部へと目を向けるものとなっている。
「Baseline」という新しい研究では、175人のボランティア参加者から匿名で分子および遺伝情報を収集する予定だという。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間7月24日の夕方にこの研究について報じた。この研究は現時点ではパイロット段階にあるが、将来的には参加者を数千人規模にまで拡大する予定だ。
研究の目的は、人体を詳しく理解し、ガンや心臓疾患といった致命的疾病を早期に発見できるようにすることで、治療を対症的なものではなくより予防的なものにすることだ。組織的な審査委員会(人間に関する医療研究を審査する独立した倫理委員会)が、この研究の審査と承認を行う予定となっている。
プロジェクトを指揮するのは、分子生物学者のAndrew Conrad博士だ。同氏は2013年3月に、Googleの大胆なプロジェクトの多くを統括するGoogle Xに加わった。Conrad博士は声明で、「この研究によって、人体がどのようにして健康を維持したり病気になったりするのかを解明する手がかりが得られる可能性がある。それは、疾病をどうすれば発見し治療できるかについての洞察につながる可能性がある」と述べた。
Google Xは、同社のいわゆる「ムーンショット」プロジェクトの多くを生み出してきた部門だ。ムーンショットとは、技術を飛躍的に進歩させることを目指した実験的な取り組みを指す。Baselineや、農村地域にインターネットサービスを提供することを目的としたWi-Fi気球の他に、ソフトウェアで操作される自律走行車や、着用者の目の前にコンピュータ画面を投影するヘッドセット「Google Glass」などもこれに含まれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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